6-3 Automations で定期実行する
決まった時刻や間隔で Codex に作業させる Automations の使い方。自然言語で設定できる仕組み、定期実行に向く作業と向かない作業、暴走させないための設計を非エンジニア向けに解説します。
このレッスンでわかること
ここまでは「頼んだら動く」でした。**Automations は「頼まなくても動く」**仕組みです。
- 定期実行の設定ができる
- 向いている作業と向かない作業の区別がつく
- 暴走させないための設計がわかる
Automations とは
決まった時刻や間隔で、Codex に作業させる仕組みです。
- 毎週月曜の朝に、先週のデータを集計させる
- 毎月初に、月次レポートのひな形を作らせる
- 一定間隔で、指定したフォルダの変化を確認させる
人が操作しなくても動きます。
自然言語で設定できる
ここが扱いやすい点です。設定ファイルを書く必要はありません。
対話画面に入力します。
毎週月曜の朝9時に、先週分の sales.csv を集計して
週次サマリーを作る自動実行を設定してください。
設定したら、次にいつ実行されるかを教えてください。
時刻の指定も、作業内容も、日本語で伝えられます。
6-1 の Skill と組み合わせる
Automations の真価は、Skill と組み合わせたときに出ます。
6-1 で monthly-report という Skill を作りました。定期実行では、それを呼ぶだけで済みます。
毎月1日の朝に monthly-report を実行する設定を作ってください。
対象ファイルは、その時点の最新の売上CSVにしてください。
手順は Skill に書いてあるので、定期実行側には「いつ」「何を呼ぶか」だけを書けばよいことになります。手順を変えたくなったら Skill を直すだけです。
向いている作業・向かない作業
判断基準は「結果を確認しなくても害がないか」です。
向いている
| 作業 | 理由 |
|---|---|
| 集計・要約 | 出力を作るだけ。元データは変わらない |
| 状況の確認と報告 | 読むだけ |
| ひな形の準備 | あとで人が手を入れる前提 |
**共通するのは「作って置いておくだけ」**という点です。人が後で見て、必要なら直せます。
向かない
| 作業 | 理由 |
|---|---|
| 送信・投稿 | 相手がいる。取り消せない |
| 既存ファイルの上書き | 元に戻せない |
| 削除 | 元に戻せない |
| 判断を伴う作業 | 人が決めるべきこと |
「人が見る前に、外に出ていくもの」は自動化しないでください。
線の引き方
同じ月次レポートでも、こう分かれます。
| 内容 | 判定 |
|---|---|
| レポートを作って保存する | ✅ 自動化してよい |
| レポートを作って関係者にメール送信する | ❌ 送信は人がする |
「作るところまで自動、出すのは人」——この線を守れば事故が起きません。
暴走させない設計
自動実行は、人が見ていないところで動きます。3つの備えをしてください。
1. 第3章の設定を効かせる
サンドボックスは自動実行中も効きます。workspace-write にしておけば、作業フォルダの外には出られません。
**これがいちばん確実な歯止めです。**自動実行を設定する前に、第3章の設定を見直してください。
2. 出力先を分ける
自動実行の成果物は、手作業のものと別のフォルダに出させてください。
出力先は auto-output/ フォルダにしてください。
既存のファイルは上書きせず、日付を付けた新しいファイルとして保存してください。
「上書きしない」を明示するのがポイントです。
3. 結果を確認する習慣
設定して終わりにしないでください。
- 最初の数回は必ず結果を見る
- 想定と違えば設定を直す
- しばらく使わないものは止める
3つ目が忘れられがちです。動いていることを忘れた自動実行がいちばん危険です。
管理する
設定したものは一覧で確認できます。
いま設定されている自動実行を一覧で教えてください。
それぞれ次にいつ実行されるかも教えてください。
止めたいときも日本語で頼めます。
週次サマリーの自動実行を止めてください。
定期的に一覧を見て、不要なものを止める習慣をつけてください。
パソコンを閉じたらどうなるか
手元で動く自動実行は、パソコンが動いていないと実行されません。
「毎朝9時」と設定しても、その時刻にパソコンが閉じていれば動きません。
確実に毎回動かしたい場合は、クラウド実行(5-2)と組み合わせる必要があります。ただしその場合、GitHub 連携などの前提が付きます。
まずは**「パソコンを開いている時間帯」に設定する**のが現実的です。
やってみよう
- 候補を洗い出す:自分の業務で「毎週・毎月、決まってやっている作業」を3つ書き出しましょう
- 線引きする:その3つを「作るだけ / 外に出るもの」に分類してください。外に出るものは自動化しないと決めます
- 設定を確認する:第3章の設定(承認モードとサンドボックス)が
workspace-writeになっているか確認しましょう - 1つ設定する:練習用フォルダで、簡単な集計を定期実行させてみてください。出力先は専用フォルダにします
- 一覧して止める:設定した自動実行を一覧させ、確認したら止めてください
演習5まで通すと、「設定して、確認して、止める」の一周ができます。
まとめ
- Automations は頼まなくても動く仕組み。時刻や間隔を指定できる
- 設定は自然言語でできる
- Skill と組み合わせると、手順は Skill、タイミングは Automations に分けられる
- 判断基準は「結果を確認しなくても害がないか」
- 「作るところまで自動、出すのは人」
- 暴走対策は3つ。サンドボックスを効かせる / 出力先を分ける / 結果を確認する
- 上書きしないを明示する
- 手元の自動実行はパソコンが動いていないと実行されない
- 定期的に一覧を見て、不要なものを止める
理解度チェック
Q1. 定期実行に向いていない作業はどれでしょう?
- 週次の売上データを集計してサマリーを作る
- 指定フォルダの状況を確認して報告する
- 作成したレポートを関係者にメールで送信する
- 月次レポートのひな形を用意する
答えを見る
正解:3
送信は相手がいて、取り消せません。人が見る前に外へ出ていくものは自動化しないでください。「作るところまで自動、出すのは人」という線を守ります。1・2・4 はいずれも作って置いておくだけなので、後から人が確認できます。
Q2. 自動実行を設定する前に、いちばん確実な歯止めになるのはどれでしょう?
- 実行間隔を長くする
- サンドボックスを workspace-write にして、作業フォルダの外に出られないようにする
- 設定の名前を分かりやすくする
- 実行時刻を深夜にする
答えを見る
正解:2
サンドボックスは自動実行中も効きます。人が見ていない時間に動くからこそ、範囲を物理的に制限しておくことが効きます。あわせて出力先を専用フォルダに分け、上書きしない指定をしておくと安全です。