AI Tools 2026年8月27日

6-1 Skills でノウハウを預ける

よく使う手順や判断基準を Skills として保存し、Codex に自動で使わせる方法。AGENTS.md との使い分け、description の書き方、作ったあとの確認方法を非エンジニア向けに解説します。

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先に読む4-1 AGENTS.md の書き方|毎回の説明をなくす

このレッスンでわかること

第4章の AGENTS.md は「常に効く前提」を書くものでした。Skills は「そのときだけ使う手順」を預ける仕組みです。

  • AGENTS.md と Skills の使い分けがわかる
  • よく使う手順を保存して呼び出せる
  • 呼ばなくても自動で使わせられる

なぜ必要か

第2章から進めてきて、こうなっていませんか。

  • 月次レポートの指示文を、毎月書き直している
  • データ整理の手順を、ファイルが届くたびに説明している

**良い指示ほど長くなります。**そして長い指示ほど、毎回書き直すのが面倒になる。ここで「面倒だから短く雑に書く」方向へ戻ると、せっかく上がった精度が落ちます。

Skills は、長い指示を1回だけ書いて保存し、以降は短い名前で呼び出せるようにする仕組みです。

AGENTS.md との使い分け

AGENTS.mdSkills
いつ効くか毎回、自動で呼び出したとき、または必要と判断されたとき
何を書くかいつも守ってほしい前提特定の作業の手順、判断の基準
「金額は税込で書く」「月次レポートを作る手順一式」

「常に効かせたいこと」は AGENTS.md、「そのときだけ使いたいこと」は Skills です。

作ってみる

**ファイルの置き場所を自分で覚える必要はありません。**Codex に作らせて、場所を教えてもらいます。

対話画面に入力します。

Skill を1つ作ってください。

名前: monthly-report
説明: 月次の営業レポートを作る。売上CSVから商品別・担当者別に集計し、前月比を出す

中身:
指定されたファイルを読んで、月次レポートを作ってください。

【手順】
1. 元ファイルは変更せず、読み取りだけにする
2. 集計する前に、対象データの件数を報告する
3. 商品別・担当者別の売上を集計する
4. 前月と比べて増減が大きい項目を3つ挙げる

【完了条件】
- report-YYYY-MM.md として保存されている
- 元データと集計後で、件数と売上合計が一致している
- 一致しない場合は報告する

作成したら、どこに置いたかと、どうやって呼び出すかを教えてください。

**最後の1行が大事です。**保存場所と呼び出し方を教えてもらえば、次から自分で扱えます。

呼び出す

作った Skill は、名前で呼び出せます。一覧は次で確認できます。

/skills

自分が作った monthly-report が並んでいれば成功です。

呼ばなくても使われる

ここが Skills の本領です。

名前を出さずに関連する作業を頼んでみてください。

sales-2026-08.csv から今月の営業レポートを作ってください。

保存した手順(件数を先に報告する、前月比の上位3件を出す、など)が適用されていれば成功です。

判断材料は「説明」

Codex は、Skill に書いた説明文を見て「今これを使うべきか」を判断します。

説明が曖昧だと、必要な場面でも呼ばれません。

BadGood
「レポートのルール」「月次の営業レポートを作る。売上CSVから商品別・担当者別に集計し、前月比を出す」

**「いつ使うものか」が読み取れるように書いてください。**キーワード(月次、営業レポート、売上、集計、前月比)を含めるのがコツです。

何を Skill にすべきか

Skill 向き

  • 他の人に説明したことがあるもの(引き継ぎ内容がそのまま候補)
  • 間違えられると困るもの(金額・宛名・締め日)
  • 自分の会社や業界に固有のもの

Skill 向きでない

  • 一度きりの作業 → そのまま指示すればよい
  • 常に必ず守ってほしいこと → AGENTS.md

手順だけでなく「判断の基準」も預けられる

非エンジニアの業務では、手順より判断の基準のほうが多いはずです。

  • 「この取引先は敬称を『御中』ではなく『様』にする」
  • 「請求書の日付は締め日基準、納品書は納品日基準」

こういうものは、いつ必要になるか事前に分かりません。Skill にしておけば、必要な場面で自動的に効きます。

最初から入っているものもある

自分で作らなくても、Codex には最初からいくつかの機能が用意されています。/skills の一覧を見て、使えそうなものがないか先に確認する習慣をつけてください。自分で作る前に、既にあるかもしれません。

よくあるつまずきと対処法

一覧に出てこない — 保存場所が違う可能性があります。「さっき作った Skill が一覧に出ません。どこに保存されているか確認してください」と頼めば調べてくれます。

呼べば動くが、自動では使われない — 説明文の問題です。「どんなときに monthly-report が使われますか?」と聞いて、意図と違えば説明を書き直します。

使ってほしくないときにも使われる — 説明の範囲が広すぎます。対象を具体的に絞ってください。

想定と違うことをした — 中身は「そのまま実行される指示文」です。曖昧な部分があれば毎回ぶれます。2-3 で学んだ4要素(目標・文脈・制約・完了条件)を適用して書き直してください。

**※ Skills の仕様は変化が早い分野です。**うまくいかないときは公式ドキュメントで最新の書き方を確認するか、エラー内容をそのまま対話画面に貼って聞いてください。

やってみよう

  1. 棚卸し:ここまでで自分が書いた指示のうち、「2回以上似た内容を書いた」ものを1つ選びましょう
  2. Skill 化:それを Skill として保存させ、どこに置いたか・どう呼ぶかを教えてもらってください
  3. 呼び出す:名前で呼び出して、同じ結果になるか確認しましょう
  4. 自動起動を試す:名前を出さずに関連する作業を頼み、自動で適用されるか確認してください
  5. 説明を壊してみる:説明文をわざと「ルール集」だけに書き換えて、自動では呼ばれなくなることを確認します。確認したら元に戻してください

演習5は、説明文が仕組みの心臓部だと体感するための練習です。

まとめ

  • 良い指示ほど長くなる。毎回書き直さないための仕組みが Skills
  • AGENTS.md は「常に効く前提」、Skills は「そのときだけ使う手順」
  • 保存場所は覚えなくてよい。Codex に作らせて、場所と呼び方を聞く
  • 名前で呼び出せるうえに、呼ばなくても必要な場面で使われる
  • 説明文が最重要。「いつ使うか」が読み取れないと自動では呼ばれない
  • 他の人に説明したことがある内容は、そのまま候補になる
  • /skills で一覧を確認。自分で作る前に既にないか見る

理解度チェック

Q1. AGENTS.md と Skills の使い分けとして、最も適切なものはどれでしょう?

  1. AGENTS.md は無料プラン用、Skills は有料プラン用
  2. AGENTS.md は毎回自動で読まれる前提、Skills はそのとき必要な手順や判断基準
  3. AGENTS.md は個人用、Skills はチーム用
  4. どちらも同じ機能で、書き方が違うだけ
答えを見る

正解:2

AGENTS.md は作業のたびに自動で読まれ、その間ずっと効き続けます。Skills は呼び出すか、Codex が必要と判断したときに使われます。「金額は税込」のような常時のルールは AGENTS.md、「月次レポートを作る手順一式」のような特定作業は Skills が向いています。

Q2. 作った Skill が、呼び出せば動くのに自動では使われません。最初に見直すべき箇所はどれでしょう?

  1. 説明文に「いつ使うものか」が書かれているか
  2. 本文の文字数が足りているか
  3. ファイルサイズが大きすぎないか
  4. Skill の数が多すぎないか
答えを見る

正解:1

Codex は説明文を読んで、その場面で使うべきかを判断します。「レポートのルール」のように曖昧だと、どの場面で必要なのか判断できず呼ばれません。対象とキーワードを含めて具体的に書いてください。