AI Tools 2026年8月27日

5-3 ブラウザを操作させる|Chrome 拡張

Codex の Chrome 拡張で、サインイン済みのブラウザ上の作業を任せる方法。ファイル操作では代替できない業務、権限の範囲、任せてよい作業と避けるべき作業の線引きを非エンジニア向けに解説します。

難易度前提知識ゼロでも読めます所要時間約 40 分種別学習コース

先に読む3-3 自分の運用モードを決める

このレッスンでわかること

ここまでは「ファイルを扱う」話でした。Chrome 拡張は、ブラウザ上の作業を任せる仕組みです。

  • ファイル操作では代替できない業務があることがわかる
  • Chrome 拡張で何ができるかがわかる
  • 任せてよい作業と、避けるべき作業の線引きができる

なぜこれが必要なのか

非エンジニアの業務には、ファイルになっていない作業が多くあります。

  • 管理画面に同じような情報を何度も入力する
  • 複数のサイトから情報を集めて一覧にする
  • Web メールのスレッドを読んで要点をまとめる
  • 社内システムの画面を確認して報告する

**これらはファイル操作では代替できません。**画面を見て、読んで、入力する必要があります。

従来、AIエージェントが手を出しにくかった領域です。Chrome 拡張はここに届きます。

何ができるか

あなたがサインイン済みのブラウザで、画面を見ながら作業します。

重要なのは「サインイン済み」という点です。ログインが必要なサービスでも、あなたがすでにログインしている状態を使うので、認証情報を渡す必要がありません。

向いている作業

作業
読んで要約する複数のページを開いて内容をまとめる
集めて一覧にする複数のサイトから情報を拾って表にする
確認する画面の内容が想定どおりか点検する
定型入力の下書きフォームに入れる内容を用意する

「読む・集める・まとめる」は特に相性が良いです。人がやると単調で時間がかかる作業です。

導入する

Chrome 拡張は、Codex アプリの設定から導入します。単体で入れるものではありません。

[スクリーンショット] アプリの設定画面から Chrome 拡張を導入する箇所

導入後、ブラウザ側で拡張を有効化し、使用を許可します。

使ってみる

開いているページについて頼むのが基本の形です。

いま開いているページの内容を要約して、要点を3つ挙げてください。

複数ページを扱わせることもできます。

このページに載っている製品を、それぞれの詳細ページを開いて確認し、
価格と対応OSを表にまとめてください。

人がタブを行き来してメモを取る作業が、そのまま置き換わります。

線引き:任せてよいこと・避けるべきこと

ここがこのレッスンでいちばん大事な部分です。

ブラウザ操作は、ファイル操作より影響が外に出やすいという性質があります。

任せてよい

  • **読むだけの操作。**ページを開く、内容を確認する、まとめる
  • **下書きを作る。**入力内容を用意して、送信は自分がする

慎重に

  • **フォームへの入力。**内容が正しいか自分で確認してから送信する
  • **設定の変更。**何が変わるか理解してから

任せてはいけない

操作理由
送信・投稿取り消せない。相手がいる
購入・決済金銭が動く
削除元に戻せない
認証情報の入力パスワードやカード番号を扱わせない
他人に影響する操作承認、却下、公開など

判断基準は「取り消せるか」と「相手がいるか」です。

具体的な線引きの例

同じメール業務でも、こう分かれます。

頼み方判定
「このスレッドの要点をまとめて」✅ 読むだけ
「返信の下書きを作って」✅ 下書きまで
「返信を送って」送信は自分がする

「下書きまでは任せ、最後のボタンは自分が押す」——この線を引いておくと事故が起きません。

実務での注意点

見られる範囲を意識する

拡張が動いているとき、そのブラウザで開いているものが対象になりえます。

  • 業務用と個人用でブラウザやプロファイルを分ける
  • 機微な情報を扱うタブは閉じてから使う

「いま何が開いているか」を意識する習慣をつけてください。

会社のルールを確認する

ブラウザ拡張の導入自体が、会社によっては申請制です。自己判断で入れず、確認してください。

とくに社内システムを操作させる場合は、その行為が許されているかを先に確認する必要があります。

画面が変わると止まる

Web サイトのデザインが変わると、うまく動かなくなることがあります。「毎回確実に動く」ものとして業務手順に組み込まないでください。

止まったときに人が引き継げる形にしておきます。

画面そのものを操作する機能について

Codex には、ブラウザに限らずパソコンの画面そのものを操作する機能もあります。

ただし現時点では制約が多く、利用できる環境が限られています(対応OSや地域の制限、OS 側の権限設定が必要)。

**本カリキュラムでは扱いません。**Chrome 拡張で足りる作業がほとんどですし、画面操作は影響範囲がさらに大きくなります。興味があれば、リファレンス側で確認してください。

やってみよう

  1. 候補を洗い出す:自分の業務で「ブラウザ上で繰り返している作業」を3つ書き出しましょう
  2. 線引きする:その3つを「読むだけ / 下書きまで / 送信を伴う」に分類してください。送信を伴うものは任せないと決めます
  3. 読ませてみる:適当なページを開き、「このページの要点を3つにまとめて」と頼んでみましょう
  4. 集めさせてみる:複数ページから情報を集めて表にする作業を頼み、人がやるより速いか確認してください
  5. ルールを確認する:業務で使う場合、拡張の導入と社内システムの操作について確認しましょう

まとめ

  • Chrome 拡張はブラウザ上の作業を任せる仕組み。ファイル操作では代替できない領域
  • サインイン済みの状態を使うので、認証情報を渡さなくてよい
  • 向いているのは「読む・集める・まとめる
  • 判断基準は「取り消せるか」と「相手がいるか」
  • 送信・購入・削除・認証情報の入力は任せない
  • 「下書きまでは任せ、最後のボタンは自分が押す」
  • 動作中は**開いているタブが対象になりえる。**業務用と個人用を分ける
  • 画面が変わると止まる。確実に動く前提で業務手順に組み込まない

理解度チェック

Q1. Chrome 拡張に任せてよい作業はどれでしょう?

  1. 取引先へのメールを送信する
  2. 開いているページの内容を要約し、返信の下書きを作る
  3. 管理画面から不要なデータを削除する
  4. 保存されたカード情報で商品を購入する
答えを見る

正解:2

読むことと下書きを作ることは、取り消せて相手にも影響しないため任せられます。1 と 4 は取り消せず相手や金銭が絡み、3 は元に戻せません。「下書きまでは任せ、最後のボタンは自分が押す」という線を引いてください。

Q2. Chrome 拡張を業務で使う際の注意点として、適切でないものはどれでしょう?

  1. 業務用と個人用でブラウザやプロファイルを分ける
  2. 機微な情報を扱うタブは閉じてから使う
  3. サイトのデザイン変更で止まる可能性があるため、確実に動く前提で手順に組み込まない
  4. 動作が安定しているので、社内システムの操作も自己判断で任せてよい
答えを見る

正解:4

社内システムの操作は、その行為自体が許されているかを会社に確認する必要があります。ブラウザ拡張の導入自体が申請制の場合もあります。自己判断で進めないでください。1・2・3 はいずれも適切な注意点です。