AI Tools 2026年8月27日

4-2 階層で積み上げる・チームで共有する

AGENTS.md を会社・部門・案件の階層で設計し、チームで共有する方法。連結の仕組みを活かした構成、共有時の注意点、Claude Code と併用する場合の整理を扱います。

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先に読む4-1 AGENTS.md の書き方|毎回の説明をなくす

このレッスンでわかること

4-1 で1枚の AGENTS.md を書きました。ここでは複数枚を組み合わせる設計と、チームでの共有を扱います。

  • 階層構造の設計方針がわかる
  • チームで共有するときの注意点がわかる
  • Claude Code と併用する場合の整理ができる

連結を活かす設計

Codex は経路上のすべての AGENTS.md を連結します。この性質を活かすと、ルールを重複なく置けます

会社共通/                AGENTS.md  ← 全社で守ること
├ 経理部/                AGENTS.md  ← 経理のルール
│  ├ 月次締め/           AGENTS.md  ← この作業のルール
│  └ 経費精算/           AGENTS.md
└ 営業部/                AGENTS.md
   └ 月次レポート/       AGENTS.md

どの階層に何を書くか

判断基準は**「この内容が変わったとき、どこまで影響するか」**です。

階層書くこと
全社全員に共通し、めったに変わらないこと「顧客名は伏せる」「金額は税込」「日付は西暦」
部門その部門でだけ通じること部門固有の用語、扱うファイルの種類
作業その作業に固有のこと使うファイル名、出力先、手順

**上の階層ほど「変わりにくいこと」を置きます。**下の階層に書いたことは、そのフォルダを離れれば効きません。

重複させない

同じことを複数の階層に書くと、変更するとき全部を直すことになります。一度書いたことは、下の階層で繰り返さないでください。

書いたつもりのことが効いているか確認するには、いちばん下のフォルダでこう聞きます。

いま適用されているルールを、どのファイルに書かれたものかも含めて一覧にしてください。

連結された結果を確認できます。

チームで共有する

AGENTS.md をリポジトリやフォルダ共有に含めれば、そのフォルダで作業する全員に同じルールが効きます。

共有する前に確認すること

確認理由
機密情報が入っていないかパスワード・顧客情報・未公開情報。共有範囲が広がる
個人の好みが混ざっていないか「私は表形式が好き」のような内容は、全員に強制すべきでない
古くなっていないか使われていないルールが残っていると、判断を鈍らせる

個人の設定は分ける

「自分だけに効かせたいこと」は、共有される AGENTS.md ではなく個人用の設定に書きます。

  • 共有する AGENTS.md → チーム全員に効かせること
  • 個人用の設定 → 自分の好みや作業スタイル

チーム用に個人の好みを混ぜると、他の人が困ります。

変更したら伝える

AGENTS.md はコードと同じで、黙って変えると他の人が混乱します

  • 変更した理由を残す(コミットメッセージなど)
  • 大きな変更はチームに周知する
  • 「なぜそのルールがあるのか」を書き添える

3つ目が特に効きます。理由の書いてないルールは、後から来た人に消されます。

## してほしくないこと

- 生データ(`sales-*.csv`)を書き換えない
  → 経理システムからの出力そのままで、監査時に原本として参照するため

Claude Code と併用する場合

両方を使う場合、指示ファイルは別々です。

ツール読むファイル
CodexAGENTS.md
Claude CodeCLAUDE.md

同じフォルダで両方使うなら、両方のファイルが必要になります。内容が食い違うと、ツールによって挙動が変わって混乱します。

現実的な運用

片方を正本にして、もう一方から参照させるのが素直です。

<!-- CLAUDE.md -->

このフォルダのルールは AGENTS.md に集約しています。
作業を始める前に AGENTS.md を読んでください。

こうすれば、更新するのは1か所で済みます。

**どちらを正本にするかは、主に使うツールで決めてください。**Codex を主に使うなら AGENTS.md を正本にします。

挙動の違いに注意

階層があるフォルダで併用する場合、同じ内容を書いても効き方が違います

  • Codex:すべての階層が積み上がる
  • Claude Code:近い階層が優先される

**階層を深くするなら、この差を意識してください。**シンプルに保つなら、階層は浅くして1〜2枚で運用するのが安全です。

やってみよう

  1. 階層を設計する:自分の作業フォルダに階層があるか確認し、どの階層に何を書くべきか考えてみましょう
  2. 連結を確認する:いちばん下のフォルダで「いま適用されているルールを、どのファイルに書かれたものかも含めて一覧にして」と頼み、期待どおりか確認してください
  3. 理由を書き足す:既存のルールのうち、理由が書かれていないものに「→ なぜそうするか」を追記しましょう
  4. 共有前チェック:機密情報・個人の好み・古いルールが混ざっていないか見直してください

まとめ

  • 上の階層ほど「変わりにくいこと」を置く。全社 → 部門 → 作業
  • 一度書いたことを下の階層で繰り返さない
  • 連結結果は「どのファイルに書かれたものか含めて一覧にして」で確認できる
  • 共有前に機密情報・個人の好み・古いルールを確認する
  • **ルールには理由を書き添える。**理由のないルールは後から消される
  • Claude Code と併用するなら、片方を正本にしてもう一方から参照させる
  • **階層の効き方が両ツールで違う。**深くするなら意識する

理解度チェック

Q1. 全社共通の AGENTS.md に書くべき内容として、最も適切なものはどれでしょう?

  1. 今月の月次レポートで使うファイル名
  2. 「顧客名は伏せる」「金額は税込で書く」といった、全員に共通しめったに変わらないこと
  3. 自分が好む出力の形式
  4. 現在進行中の案件の進捗
答えを見る

正解:2

上の階層ほど「変わりにくく、影響範囲の広いこと」を置きます。特定の作業でしか使わないファイル名や進捗は下の階層へ、個人の好みは共有ファイルではなく個人用の設定へ書きます。

Q2. Codex と Claude Code を同じフォルダで併用する場合、推奨される運用はどれでしょう?

  1. AGENTS.md と CLAUDE.md に同じ内容をコピーして両方維持する
  2. 片方を正本にして、もう一方から参照させる
  3. どちらか一方のツールしか使わないようにする
  4. 指示ファイルを置かずに毎回口頭で説明する
答えを見る

正解:2

同じ内容を2か所に持つと、更新漏れで食い違いが起きます。主に使うツールの側を正本にし、もう一方のファイルからは「こちらを読んでください」と参照させれば、更新は1か所で済みます。