4-2 階層で積み上げる・チームで共有する
AGENTS.md を会社・部門・案件の階層で設計し、チームで共有する方法。連結の仕組みを活かした構成、共有時の注意点、Claude Code と併用する場合の整理を扱います。
このレッスンでわかること
4-1 で1枚の AGENTS.md を書きました。ここでは複数枚を組み合わせる設計と、チームでの共有を扱います。
- 階層構造の設計方針がわかる
- チームで共有するときの注意点がわかる
- Claude Code と併用する場合の整理ができる
連結を活かす設計
Codex は経路上のすべての AGENTS.md を連結します。この性質を活かすと、ルールを重複なく置けます。
会社共通/ AGENTS.md ← 全社で守ること
├ 経理部/ AGENTS.md ← 経理のルール
│ ├ 月次締め/ AGENTS.md ← この作業のルール
│ └ 経費精算/ AGENTS.md
└ 営業部/ AGENTS.md
└ 月次レポート/ AGENTS.md
どの階層に何を書くか
判断基準は**「この内容が変わったとき、どこまで影響するか」**です。
| 階層 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 全社 | 全員に共通し、めったに変わらないこと | 「顧客名は伏せる」「金額は税込」「日付は西暦」 |
| 部門 | その部門でだけ通じること | 部門固有の用語、扱うファイルの種類 |
| 作業 | その作業に固有のこと | 使うファイル名、出力先、手順 |
**上の階層ほど「変わりにくいこと」を置きます。**下の階層に書いたことは、そのフォルダを離れれば効きません。
重複させない
同じことを複数の階層に書くと、変更するとき全部を直すことになります。一度書いたことは、下の階層で繰り返さないでください。
書いたつもりのことが効いているか確認するには、いちばん下のフォルダでこう聞きます。
いま適用されているルールを、どのファイルに書かれたものかも含めて一覧にしてください。
連結された結果を確認できます。
チームで共有する
AGENTS.md をリポジトリやフォルダ共有に含めれば、そのフォルダで作業する全員に同じルールが効きます。
共有する前に確認すること
| 確認 | 理由 |
|---|---|
| 機密情報が入っていないか | パスワード・顧客情報・未公開情報。共有範囲が広がる |
| 個人の好みが混ざっていないか | 「私は表形式が好き」のような内容は、全員に強制すべきでない |
| 古くなっていないか | 使われていないルールが残っていると、判断を鈍らせる |
個人の設定は分ける
「自分だけに効かせたいこと」は、共有される AGENTS.md ではなく個人用の設定に書きます。
- 共有する AGENTS.md → チーム全員に効かせること
- 個人用の設定 → 自分の好みや作業スタイル
チーム用に個人の好みを混ぜると、他の人が困ります。
変更したら伝える
AGENTS.md はコードと同じで、黙って変えると他の人が混乱します。
- 変更した理由を残す(コミットメッセージなど)
- 大きな変更はチームに周知する
- 「なぜそのルールがあるのか」を書き添える
3つ目が特に効きます。理由の書いてないルールは、後から来た人に消されます。
## してほしくないこと
- 生データ(`sales-*.csv`)を書き換えない
→ 経理システムからの出力そのままで、監査時に原本として参照するため
Claude Code と併用する場合
両方を使う場合、指示ファイルは別々です。
| ツール | 読むファイル |
|---|---|
| Codex | AGENTS.md |
| Claude Code | CLAUDE.md |
同じフォルダで両方使うなら、両方のファイルが必要になります。内容が食い違うと、ツールによって挙動が変わって混乱します。
現実的な運用
片方を正本にして、もう一方から参照させるのが素直です。
<!-- CLAUDE.md -->
このフォルダのルールは AGENTS.md に集約しています。
作業を始める前に AGENTS.md を読んでください。
こうすれば、更新するのは1か所で済みます。
**どちらを正本にするかは、主に使うツールで決めてください。**Codex を主に使うなら AGENTS.md を正本にします。
挙動の違いに注意
階層があるフォルダで併用する場合、同じ内容を書いても効き方が違います。
- Codex:すべての階層が積み上がる
- Claude Code:近い階層が優先される
**階層を深くするなら、この差を意識してください。**シンプルに保つなら、階層は浅くして1〜2枚で運用するのが安全です。
やってみよう
- 階層を設計する:自分の作業フォルダに階層があるか確認し、どの階層に何を書くべきか考えてみましょう
- 連結を確認する:いちばん下のフォルダで「いま適用されているルールを、どのファイルに書かれたものかも含めて一覧にして」と頼み、期待どおりか確認してください
- 理由を書き足す:既存のルールのうち、理由が書かれていないものに「→ なぜそうするか」を追記しましょう
- 共有前チェック:機密情報・個人の好み・古いルールが混ざっていないか見直してください
まとめ
- 上の階層ほど「変わりにくいこと」を置く。全社 → 部門 → 作業
- 一度書いたことを下の階層で繰り返さない
- 連結結果は「どのファイルに書かれたものか含めて一覧にして」で確認できる
- 共有前に機密情報・個人の好み・古いルールを確認する
- **ルールには理由を書き添える。**理由のないルールは後から消される
- Claude Code と併用するなら、片方を正本にしてもう一方から参照させる
- **階層の効き方が両ツールで違う。**深くするなら意識する
理解度チェック
Q1. 全社共通の AGENTS.md に書くべき内容として、最も適切なものはどれでしょう?
- 今月の月次レポートで使うファイル名
- 「顧客名は伏せる」「金額は税込で書く」といった、全員に共通しめったに変わらないこと
- 自分が好む出力の形式
- 現在進行中の案件の進捗
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正解:2
上の階層ほど「変わりにくく、影響範囲の広いこと」を置きます。特定の作業でしか使わないファイル名や進捗は下の階層へ、個人の好みは共有ファイルではなく個人用の設定へ書きます。
Q2. Codex と Claude Code を同じフォルダで併用する場合、推奨される運用はどれでしょう?
- AGENTS.md と CLAUDE.md に同じ内容をコピーして両方維持する
- 片方を正本にして、もう一方から参照させる
- どちらか一方のツールしか使わないようにする
- 指示ファイルを置かずに毎回口頭で説明する
答えを見る
正解:2
同じ内容を2か所に持つと、更新漏れで食い違いが起きます。主に使うツールの側を正本にし、もう一方のファイルからは「こちらを読んでください」と参照させれば、更新は1か所で済みます。