3-3 自分の運用モードを決める
承認モードとサンドボックスを組み合わせ、自分の作業に合った設定を決めます。読み取り専用から始めて段階的に解放する進め方と、会社のパソコンで使う場合の注意点を扱います。
このレッスンでわかること
3-1 と 3-2 で2つの仕組みを学びました。ここで自分の設定を決めます。
- 段階的に解放するという進め方がわかる
- 作業の種類ごとに設定を使い分けられる
- 会社のパソコンで使う場合の注意点がわかる
基本方針:狭く始めて、必要になったら広げる
いきなり緩い設定にせず、いちばん狭いところから始めて、困ったら広げるのが安全です。
| 段階 | 承認 | サンドボックス | いつ使うか |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | untrusted | read-only | 新しいフォルダで初めて作業するとき |
| 第2段階 | on-request | workspace-write | 通常の作業。ここが基本 |
| 第3段階 | never | workspace-write | 慣れて、作業内容が定型化してから |
第3段階より先はありません。danger-full-access は日常業務で必要になる場面がほとんどないためです。
なぜ第1段階から始めるのか
知らないフォルダで、いきなり書き込ませないためです。
初めて扱うフォルダでは、そこに何が入っているか自分でも把握していないことがあります。まず読み取り専用で「何があるか」「何をしようとしているか」を確認してから、書き込みを許すのが安全です。
このフォルダに何が入っているか一覧で教えてください。
触ると困りそうなファイルがあれば指摘してください。
読み取り専用でこう聞けば、リスクを把握したうえで次に進めます。
作業の種類ごとに使い分ける
すべての作業で同じ設定を使う必要はありません。設定はフォルダごとに記憶されるので、自然と使い分けられます。
| 作業 | おすすめ設定 |
|---|---|
| 資料を読んで要約する | untrusted + read-only |
| 練習・実験 | never + workspace-write(練習用フォルダで) |
| 業務データの整理 | on-request + workspace-write |
| 大量の定型処理 | never + workspace-write |
| 初めて扱うフォルダ | untrusted + read-only から |
判断基準はひとつです。「間違えたとき、元に戻せるか」。
設定してみる
**設定ファイルを自分で書く必要はありません。**日本語で頼み、意味を説明してもらいます。
このフォルダでの設定を次のようにしてください。
- 承認は on-request
- サンドボックスは workspace-write
設定したあとに、それぞれが何を制限しているのかを1項目ずつ説明してください。
そのあと、設定が効いているか確認する方法も教えてください。
「説明してください」と「確認方法も教えて」の2つを付けるのがコツです。
必ずテストする
設定しただけで安心するのが、いちばん危ない状態です。
3-2 でやったテストを、自分の実際の作業フォルダでもう一度やってください。
- 外に書けないこと:作業フォルダの外にファイルを作らせようとして、拒否されるか
- 中には書けること:作業フォルダ内では成功するか
この2つが確認できて、初めて「設定できた」と言えます。
会社のパソコンで使う場合
いくつか追加で考えることがあります。
触らせてはいけないものを先に洗う
作業フォルダを決める前に、そこに何が入っているかを確認してください。
- 顧客の個人情報を含むファイル
- 未公開の情報
- 確定版・提出済みの書類
これらが入っているフォルダを作業フォルダにするなら、まず読み取り専用で始めてください。
会社のルールを確認する
AIツールに業務データを扱わせてよいかは、会社ごとにルールが違います。
- 情報の社外サービス利用に関する規程があるか
- 顧客情報を扱ってよいか
- 承認が必要か
自己判断で進めず、確認してください。「Codex という OpenAI のツールを業務で使いたい」と伝えるのが早道です。
設定が変えられない場合
組織側で管理設定が適用されていることがあります。自己判断で回避しようとせず、情報システム部門に相談してください。
この章のまとめ:2つの壁が揃った
第3章で扱った内容を整理します。
| 仕組み | 役割 | 通常の設定 |
|---|---|---|
| 承認モード(3-1) | 実行前に人に聞く | on-request |
| サンドボックス(3-2) | OS が触れる範囲を制限する | workspace-write |
この2つが独立していることが Codex の特徴でした。承認を緩めても、範囲の制限は効き続けます。
次章からは、この土台の上で「毎回の説明をなくす」方法(第4章)と、Codex ならではの任せ方(第5章)に進みます。扱う範囲が広がるほど、ここで作った壁が効いてきます。
やってみよう
- 棚卸し:自分が実際に使う作業フォルダを1つ決め、そこに「触られたら困るファイル」があるか確認しましょう
- 第1段階で始める:そのフォルダを
untrusted+read-onlyで開き、「何が入っているか、触ると困りそうなものはあるか」を聞いてください - 第2段階へ上げる:問題なければ
on-request+workspace-writeに変更し、意味の説明を受けましょう - テストする:外に書けないこと・中には書けることの両方を確認してください
- 会社のルールを確認する:業務で使う場合、社内規程を確認しましょう。不明なら聞く先を決めておきます
まとめ
- **狭く始めて、必要になったら広げる。**いきなり緩い設定にしない
- 通常は
on-request+workspace-write - **初めて扱うフォルダは読み取り専用から。**何が入っているか把握してから書き込みを許す
- 設定はフォルダごとに記憶されるので、作業の種類ごとに使い分けられる
- **設定したら必ずテストする。**外に書けない・中には書けるの両方を確認
- 会社のパソコンでは、触らせてはいけないものの洗い出しと社内ルールの確認を先に行う
- 設定が変えられない場合は自己判断で回避しない
理解度チェック
Q1. 初めて扱うフォルダで作業を始めるとき、最初に選ぶべき設定はどれでしょう?
never+danger-full-access。手早く進むからuntrusted+read-only。何が入っているかを把握してから書き込みを許すため- 設定は変えず、初期状態のまま使う
on-request+danger-full-access
答えを見る
正解:2
知らないフォルダには、自分でも把握していないファイルが入っていることがあります。まず読み取り専用で中身とリスクを確認し、問題なければ書き込みを許す、という順序が安全です。慣れているフォルダなら第2段階から始めて構いません。
Q2. 承認モードとサンドボックスを設定したあと、必ずやるべきことはどれでしょう?
- 設定ファイルをバックアップする
- 作業フォルダの外に書けないこと、中には書けることの両方を実際に試す
- 会社の全員に設定を共有する
- 特に何もしなくてよい
答えを見る
正解:2
安全装置は、動くことを確かめて初めて安全装置になります。設定しただけで安心するのがいちばん危険です。外に書けないことと、中では作業できることの両方を確認してください。片方だけでは、効きすぎて作業できない状態や、効いていない状態を見逃します。