3-1 Claude Code への初めての指示|最初に覚えるプロンプト5つの型
Claude Code への良い指示の基本原則(目的・対象・成果物・制約)と、最初に覚えるべき5つの指示の型を Bad/Good 例とテンプレート付きで解説。非エンジニアでも今日から使える実践ガイドです。
このレッスンでわかること
Claude Code をインストールして起動したものの、「最初に何と話しかければいいのか分からない」という声をよく聞きます。チャット型のAIと違って、Claude Code はファイルを読み書きしたりコマンドを実行したりする「実行力のあるAI」です。だからこそ、指示の出し方ひとつで結果が大きく変わります。
このレッスンでは、次の2つを身につけます。
- 良い指示に共通する4つの要素(目的・対象・成果物・制約)
- 最初に覚えるべき「5つの型」と、それぞれのテンプレート
難しい専門用語は出てきません。「上手な仕事の頼み方」を覚える感覚で読み進めてください。
良い指示の基本原則:4つの要素を伝える
Claude Code への指示は、新しく入ったアシスタントに仕事を頼む場面を想像すると分かりやすくなります。優秀なアシスタントでも、「いい感じにやっておいて」では何をすればいいか分かりません。次の4つの要素を意識して伝えると、一発で意図が通じる確率が大きく上がります。
| 要素 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 目的 | 何のためにやるのか | 「来週の会議で配布するため」 |
| 対象 | どのファイル・データを扱うのか | 「このフォルダにある sales.csv」 |
| 成果物 | 何がどんな形でできれば完了か | 「A4で1枚に収まるHTMLの資料」 |
| 制約 | 守ってほしい条件 | 「元ファイルは変更しない」 |
4つすべてを毎回書く必要はありません。ただ、結果が思い通りにならなかったときは、たいていこのどれかが抜けています。「うまくいかないな」と感じたら、この4要素をチェックリストとして使ってください。
もうひとつ大事な心構えがあります。Claude Code は作業の途中で「この理解で合っていますか?」と確認してくれることがありますし、こちらから「不明点があれば先に質問して」と頼むこともできます。最初から完璧な指示を書こうと気負わず、対話しながら詰めていけばよい、と覚えておいてください。
最初に覚える5つの型
実務で Claude Code に頼む仕事は、ほとんどが次の5つのどれかに分類できます。
- 作って型:ファイルや資料を新しく作る
- 調べて型:ファイルやフォルダの中身を調査・要約する
- 直して型:既存のものを修正・変換する
- まとめて型:散らばった情報を整理・集計する
- 続けて型:対話を重ねて段階的に仕上げる
順番に、Bad例・Good例・テンプレートを見ていきましょう。
型1:作って型(ファイル・資料の生成)
もっとも基本となる型です。Claude Code はチャットで答えを返すだけでなく、実際にファイルとして成果物を作ってくれます。
Bad例:何を・どんな形で作るのかが曖昧です。
案内文を作って
Good例:目的・成果物の形式・制約まで指定しています。
社内勉強会の案内文を作ってください。
- 目的: 6月20日(金) 15時からの「AIツール入門勉強会」への参加者集め
- 成果物: メールにそのまま貼れるテキストを annai.txt として保存
- 制約: 300字以内、堅すぎない丁寧な文体で
テンプレート:
〇〇を作ってください。
- 目的: △△のため
- 成果物: □□というファイル名で、(形式)として保存
- 制約: (文字数・文体・含めるべき項目など)
型2:調べて型(ファイル・フォルダの調査・要約)
Claude Code は手元のファイルを読めるので、「このフォルダに何があるか」「このファイルに何が書いてあるか」を調べさせることができます。大量の資料を前に途方に暮れたときに重宝する型です。
Bad例:範囲が広すぎて、何を知りたいのかが伝わりません。
このフォルダについて教えて
Good例:調べる対象と、知りたい観点を絞っています。
documents フォルダの中身を調べてください。
- 知りたいこと: どんな種類のファイルが何件あるか、
2025年より前に作られた古そうな資料はどれか
- 成果物: チャットで一覧表として報告(ファイル作成は不要)
テンプレート:
〇〇(フォルダ名・ファイル名)を調べてください。
- 知りたいこと: △△
- 成果物: チャットで報告 / □□というファイルにまとめる
- 制約: ファイルの中身は変更しないでください
型3:直して型(修正・変換)
既存のファイルを修正したり、別の形式に変換したりする型です。「どこを」「どう直すか」をはっきり伝えるのがコツです。
Bad例:直す箇所も方向性も Claude Code が推測するしかありません。
この文章、なんかおかしいから直して
Good例:対象・直す観点・残すべきものを明示しています。
report.txt の文章を修正してください。
- 直す観点: 誤字脱字の修正と、1文が長すぎる箇所を2文に分割
- 制約: 内容や数値は変更しない。元の構成(見出しの順番)も維持する
- 成果物: 元ファイルを report_backup.txt として残してから上書き
テンプレート:
〇〇を修正(変換)してください。
- 直す観点: △△
- 制約: □□は変更しない
- 成果物: 元ファイルをバックアップしてから修正 / 別名で保存
型4:まとめて型(整理・集計)
複数のファイルやバラバラの情報を、ひとつの見やすい形に整理する型です。「どんな軸でまとめるか」を指定すると精度が上がります。
Bad例:まとめる軸がないため、期待と違う切り口で整理されがちです。
この資料たちをまとめて
Good例:集計の軸と出力形式を指定しています。
meeting-notes フォルダにある議事録ファイルをまとめてください。
- まとめる軸: 「決定事項」「未解決の課題」「担当者別のタスク」の3つ
- 成果物: summary.md という1つのファイルに整理
- 制約: 元の議事録ファイルは変更しない
テンプレート:
〇〇をまとめてください。
- まとめる軸: △△別 / □□の観点で分類
- 成果物: (ファイル名)に(表・箇条書きなどの形式)で整理
- 制約: 元ファイルは変更しない
型5:続けて型(対話で段階的に詰める)
最初から完成形を指示するのではなく、たたき台を作らせてから対話で仕上げていく型です。「正解がまだ自分でも見えていない」仕事に向いています。
Bad例:一度の指示に全部を詰め込み、出てきた結果が違ったら最初からやり直しています。
新サービスの企画書を完璧に作って。ターゲットも市場分析も全部入れて。
Good例:まず骨子だけ作らせ、方向性を確認してから先に進みます。
新サービスの企画書を作りたいです。
まず見出しレベルの骨子だけを提案してください。
私が骨子を確認してOKを出したら、各セクションの本文に進みましょう。
骨子が出てきたら、次のように対話を続けます。
骨子はおおむねOKです。ただ「競合分析」は不要なので削除し、
代わりに「想定スケジュール」を追加してください。
そのうえで、まず「サービス概要」のセクションだけ本文を書いてください。
テンプレート:
〇〇を作りたいです。まず△△(骨子・サンプル・候補3案など)だけ
提案してください。私が確認してから次に進みましょう。
この型のポイントは、一度に全部やらせず、確認ポイントを挟むことです。手戻りが減り、結果的に早く完成します。
5つの型の使い分け早見表
| 型 | こんなときに | キーワード |
|---|---|---|
| 作って型 | 資料・ファイルをゼロから作りたい | 「〜を作って」 |
| 調べて型 | 中身を把握したい・要約がほしい | 「〜を調べて」「要約して」 |
| 直して型 | 既存のものを修正・変換したい | 「〜を直して」「〜に変換して」 |
| まとめて型 | 散らばった情報を整理したい | 「〜別にまとめて」 |
| 続けて型 | 完成形がまだ見えていない | 「まず骨子だけ」「確認してから」 |
実際の仕事では型を組み合わせることも多くあります。たとえば「調べて型」でフォルダの中身を把握してから、「まとめて型」で整理する、という流れは定番です。
やってみよう
演習1(作って型):自分の仕事で使う簡単な文書(お知らせ・依頼メール・チェックリストなど)をひとつ選び、「目的・成果物・制約」を含めた指示で Claude Code に作らせてみましょう。
演習2(調べて型):パソコンの中の適当なフォルダ(ダウンロードフォルダなど)を指定して、「どんなファイルが何件あるか、一覧表で報告して。ファイルは変更しないで」と頼んでみましょう。
演習3(続けて型):演習1で作った文書に対して、「もう少し柔らかい文体に」「箇条書きを増やして」など、2〜3往復の対話で修正を重ねてみましょう。一度で完成させない感覚をつかむのが目的です。
まとめ
- 良い指示の4要素は「目的・対象・成果物・制約」。うまくいかないときはこの4つを点検する
- 最初に覚える型は5つ:作って型・調べて型・直して型・まとめて型・続けて型
- 「作って型」では成果物のファイル名と形式まで指定すると精度が上がる
- 「直して型」「まとめて型」では「元ファイルは変更しない」という制約が安全網になる
- 完成形が見えていない仕事は「続けて型」で、たたき台→対話→仕上げの順に進める
- 最初から完璧な指示は不要。対話で詰めればよい
理解度チェック
Q1. Claude Code への指示で「良い指示の4要素」に含まれないものはどれでしょう?
- 目的(何のためにやるのか)
- 成果物(何ができれば完了か)
- 制約(守ってほしい条件)
- 報酬(作業の対価)
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正解: 4
良い指示の4要素は「目的・対象・成果物・制約」です。報酬を提示する必要はありません。結果が期待と違ったときは、この4要素のどれかが抜けていないかを確認しましょう。
Q2. 「新規事業のアイデアをまだ自分でも固められていないが、企画書を作りたい」という場面で、もっとも適した型はどれでしょう?
- 作って型:最初の指示で完成形まで一気に作らせる
- 続けて型:まず骨子だけ作らせ、対話で段階的に詰める
- 直して型:他社の企画書を修正させる
- 調べて型:フォルダの中身を調査させる
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正解: 2
完成形が自分でも見えていない仕事は「続けて型」が適しています。骨子→確認→本文と段階を踏むことで手戻りが減ります。なお、選択肢3のように外部の文書をコピーして使うことは著作権の観点からも避けるべきです。