Security 2026年8月28日
AI開発セキュリティ実践:AIに書かせたものを、どう守るか
AIで作る側のためのセキュリティ連載。エージェントに渡す権限の設計、Hooks でのガードレール、生成AIツール側の設定、生成コードのレビュー観点、デプロイ基盤の本番前チェックまでを全12回で扱う。
難易度基本的な操作を一度試したことがある前提です種別リファレンス
AIに書かせる量が増えると、人の目を通らないまま本番に出るコードが増えます。この連載は、その状態で何を守り、どこを設定し、何を確認するかを扱います。
対象は、Claude Code や Codex を日常的に使い、Cloudflare / Vercel / Supabase でアプリを動かしている開発者です。「AIは危険だから使わない」でも「大手の製品だから安全」でもなく、どこに何のリスクがあるかを分解して、自分で判断できる状態を目指します。
既存の AI導入ガバナンス解説 がルールを 作る側、業務AI安全利用ガイド がルールの中で日々AIを 使う側 の話であるのに対し、この連載は AIに作らせる側 の話になります。
攻撃面を3層に分ける
守る対象を漠然と「セキュリティ」と呼ぶと、何から手を付けるか決まりません。層を分けると、壊れたときに何が起きるかで優先順位が付きます。
| 層 | 守るもの | 壊れると何が起きるか | 扱う回 |
|---|---|---|---|
| エージェント層 | 手元のエージェントが持つ権限。ファイル・シェル・ネットワーク・MCP経由の外部サービス | 開発者のマシンと認証情報が抜かれる | 第2〜6回 |
| 生成物層 | AIが書いたコードそのもの | 本番のユーザーデータが漏れる・壊れる | 第7〜9回 |
| 実行基盤層 | デプロイ先の設定と、依存パッケージ | 全部が同時に危なくなる | 第10〜12回 |
全12回
全体像
エージェントを制御する
手元のエージェントに、何をどこまでやらせるかを決める層です。
- 第2回 Claude Code の権限設計 — どこまで許可し、何を必ず拒否するか
- 第3回 Codex の権限設計 — 承認と隔離を2軸で決める
- 第4回 Hooks でガードレールを組む — 権限設定で塞ぎきれない穴を埋める
- 第5回 MCP と外部連携 — 非信頼な入力がツールを動かす経路を塞ぐ
- 第6回 生成AIツール側の設定で守る — 開発者と管理者が実際に触る項目
生成コードをレビューする
出てきたコードを、どの観点で見るかの層です。
- 第7回 AI生成コードのレビュー観点 — 何を見て、AIに何をレビューさせるか
- 第8回 認証・認可のレビュー — AIに任せると最も壊れやすい場所
- 第9回 入出力と外部連携のレビュー — 境界で止める、境界で守る
基盤と供給網を守る
動かす場所と、持ち込むものの層です。
運用
どこから読むか
順に読む必要はありません。今の状況に近いところから入れます。
| 今の状況 | 最初に読む回 |
|---|---|
| エージェントに何を許可すべきか決まっていない | 第2回(Claude Code)または第3回(Codex) |
| MCP サーバーを増やしてきたが、棚卸ししていない | 第5回 |
| 会社の情報をAIに入れてよいか、設定側で決めたい | 第6回 |
| AIが書いたコードのレビューで何を見ればいいか分からない | 第7回 |
| もうすぐ本番公開する | 第10回 |
| すでに何か起きた | 第12回 |
全体像から入りたい場合は第1回から読んでください。第1回は残り11回の地図になっています。