AI Tools 2026年4月16日 (更新: 2026年8月28日)

ChatGPT のモデル体系:GPT-5.6 Sol / Terra / Luna の使い分け

ChatGPT と API の現行モデル GPT-5.6(Sol / Terra / Luna)の位置づけ・料金・コンテキスト長・プラン別アクセスを整理。GPT-5.4 / 5.5 世代からの移行先と、APIの廃止スケジュールもまとめました。

難易度基本的な操作を一度試したことがある前提です種別リファレンス

ツール概要

GPT-5.6 は OpenAI が 2026年7月9日に一般提供を開始した現行モデルファミリーです。Sol(最上位)・Terra(バランス型)・Luna(軽量・低コスト)の3ティアで構成されます。数字が世代を、Sol / Terra / Luna が能力ティアを表す命名方式に変わりました。

限定プレビューは2026年6月26日に少数のパートナー向けで始まり、7月9日に ChatGPT・ChatGPT Work・Codex・API のすべてへ展開されています(GPT-5.6(OpenAI))。


モデル体系と変更点

2026年前半の世代交代

半年で3世代が入れ替わりました。GPT-5.4 世代を前提に書かれた社内手順やモデル指定は、そのままでは動きません。

時期出来事
2026年3月5日GPT-5.4 リリース
2026年4月23日GPT-5.5 リリース(エージェント特化の訓練を受けたベースモデル)
2026年5月5日GPT-5.5 Instant が ChatGPT のデフォルトモデルに
2026年6月26日GPT-5.6 シリーズを限定プレビュー公開。同日 GPT-4.5 が ChatGPT から退役
2026年7月9日GPT-5.6(Sol / Terra / Luna)が一般提供開始
2026年8月6日GPT-5.6 Sol を更新。Free / Go の既定モデルが GPT-5.6 Luna に

現行ラインナップ(2026年8月時点)

モデル位置づけ備考
GPT-5.6 Solフロンティア。長尺のエージェント作業・複雑な推論向けPro / Enterprise ではさらに上位の Sol Pro を選択可能
GPT-5.6 Terra本番運用向けのバランス型一般提供時点で Free / Go が使えた唯一のティア
GPT-5.6 Luna大量処理・低レイテンシ向け2026年8月6日から Free / Go の既定モデル

退役したモデル

モデル状況
GPT-4o / GPT-4.1 / GPT-4.1 mini / o4-mini2026年2月13日に ChatGPT から退役(API では継続)
GPT-5.1 系2026年3月11日に ChatGPT から退役
GPT-4.52026年6月26日に ChatGPT から退役
GPT-5.4 / GPT-5.4 mini2026年8月31日に Codex から退役。移行先は Terra と Luna

GPT-5.3 と GPT-5.4 が ChatGPT 本体のモデル選択肢からいつ外れるかは、公式の退役告知を確認できていません。運用で依存している場合はモデルのリリースノートで最新の状況を確認してください。


ChatGPT での使い方

プラン別のアクセス

一般提供時点の区分は、Free / Go が Terra のみ、Plus 以上が Sol / Terra / Luna を選択可能、Pro / Enterprise がさらに Sol Pro も利用可能というものでした。その後 2026年8月6日の更新で、Free / Go の既定モデルが Luna に変わっています。

思考量スライダー

2026年8月6日の更新で、ChatGPT がどれだけ考えるかを選べるスライダーが Plus / Pro 向けに追加されました。GPT-5.4 世代までの「Instant か Thinking か」という固定の二択に代わる操作系です。軽い質問では思考量を下げ、複雑な調査では上げる、という使い分けになります。

同じ更新で Free / Go にはテキストチャットの無制限化と、難しい問いに使う Think ボタンが提供されました。ただし無制限の対象はテキストのやり取りだけで、ファイルアップロード・画像・その他ツールには引き続き上限があります。ChatGPT Work と Codex もこの更新の対象外です。


API でのアクセス

API では gpt-5.6-sol / gpt-5.6-terra / gpt-5.6-luna のモデル ID で直接呼び出せます。

from openai import OpenAI

client = OpenAI()

response = client.chat.completions.create(
    model="gpt-5.6-terra",
    messages=[
        {"role": "user", "content": "このコードレビューの指摘を重要度順に並べ替えてください。"}
    ]
)

print(response.choices[0].message.content)

料金とコンテキスト長

2026年8月時点の値です(OpenAI API モデルドキュメント)。

モデルコンテキスト最大出力入力($/1M)出力($/1M)
GPT-5.6 Sol1,050,000128,000$4$20
GPT-5.6 Terra1,050,000$2$12
GPT-5.6 Luna1,050,000128,000$0.20$1.20
GPT-5.51,050,000128,000$5$30

Terra は入力が272,000トークンを超えると入力単価が2倍、出力単価が1.5倍になります。Luna のキャッシュ入力は $0.02 / 1M です。

2026年7月30日に Luna が約80%、Terra が約20%値下げされました。一般提供から3週間での価格改定です。

廃止スケジュール

旧世代スナップショットの削除が 2026年12月11日に予定されています(Deprecations)。

削除されるモデル推奨移行先
gpt-5-2025-08-07gpt-5.6-sol
gpt-5-mini-2025-08-07gpt-5.6-terra
gpt-5-nano-2025-08-07gpt-5.6-luna
gpt-5-pro-2025-10-06gpt-5.6-solreasoning.mode: pro
o3-2025-04-16gpt-5.6-sol
o3-pro-2025-06-10gpt-5.6-solreasoning.mode: pro

強み・特徴

  • コンテキストが約105万トークン: 3ティアとも同じコンテキスト長で、モデルを下位に落としても扱える入力量は変わりません。コストだけを段階的に下げられます。
  • 事実精度の改善: 2026年8月6日更新の GPT-5.6 Sol は、GPT-5.5 Instant と比べて事実誤りが約60%減とされています(Deployment Safety Hub)。
  • 下位ティアの価格: Luna は入力 $0.20 / 出力 $1.20 で、大量処理を下位ティアへ切り出す設計が現実的な水準です。

弱み・限界

  • 世代交代が速い: 2026年前半だけで GPT-5.4 → 5.5 → 5.6 と入れ替わりました。モデル ID をハードコードした運用は、退役告知の追跡が前提になります。
  • Terra の長文課金: 272,000トークンを超えると単価が上がるため、長いコンテキストを常用する用途では見積もりが崩れます。
  • プラン別の差: Sol Pro は Pro / Enterprise 限定です。同じ社内でもプランによって使えるティアが違う点は、業務手順を書くときに前提として明記が要ります。
  • ハルシネーション: 事実精度は改善していますが誤りはゼロではありません。重要な事実は一次情報での裏取りが必要です。

まとめ

  • 現行は GPT-5.6 の3ティア構成。Sol が最上位、Terra がバランス型、Luna が軽量です。
  • ChatGPT の既定モデルは Free / Go が Luna、Plus 以上が Sol です。
  • Instant / Thinking の二択は思考量スライダーへ置き換わりました
  • API の旧 GPT-5・o3 系スナップショットは2026年12月11日に削除されます。移行先は GPT-5.6 系です。
  • 用途別の使い分け: 複雑な推論と長尺のエージェント作業には Sol、本番の常用処理には Terra、大量処理とコスト最適化には Luna が適します。

参考リンク