grok-imagine-video-1.5 が text / reference-to-video にも対応、ネイティブ1080pへ
xAI の開発者向け release notes に、`grok-imagine-video-1.5` のモダリティ対応が追加された。text-to-video、image-to-video、reference-to-video の3系統に対応し、ネイティブ 1080p をサポートする。2026-06-17 の広範リリース時点では image-to-video が中心で解像度は 720p だったため、入力の系統と出力解像度の両方が一段上がったことになる。xAI の release notes は月単位の見出しで整理されており日単位の公開日が取れないため、2026-07-31 時点の掲載内容との差分から窓内の追加と判断した。
ニュース原文を読む ↗要約
xAI の開発者向け release notes に、grok-imagine-video-1.5 のモダリティ対応が追加されました。対応するのは text-to-video、image-to-video、reference-to-video の3系統で、ネイティブ 1080p をサポートします。
このモデルは 2026-06-17 に広範リリースされたもので、その時点では image-to-video が中心、解像度は 720p、Aurora-2 エンジンによる約25秒での生成(従来比40%以上の高速化)が売りでした。今回の更新は、入力の系統と出力解像度の両方を一段引き上げたことになります。同じバージョン番号のまま能力が広がっている点には注意が必要で、「1.5 だから 720p」という前提で書いた社内資料は古くなります。
3系統の違いを整理すると、text-to-video はテキストの指示だけから動画を作るもの、image-to-video は静止画を起点に動かすもの、reference-to-video は既存の素材を参照してそのスタイルや被写体を引き継いだ生成をするものです。使い分けとしては、ゼロから作るときは text、手元にビジュアルがあるときは image、シリーズものやブランドの一貫性が必要なときは reference という配分になります。
ネイティブ 1080p という表記も要件として意味があります。低解像度で生成してからアップスケールする方式では、細部の質が本来の 1080p に届かないことがあります。ネイティブでその解像度を出せるかどうかは、納品物として使えるかを分ける条件です。
なお、xAI の release notes は月単位の見出し(July / June / May)でのみ整理されており、項目ごとの日付が取れません。2026-07-31 時点のチェックでは July セクションが4件(Grok Voice Think Fast 2.0、Speech to Text の vad_threshold、Grok 4.5 の EU 提供、Grok 4.5)で本項目は含まれていなかったため、その後に追加されたものと判断しています。
時期的に興味深いのは、同じ 2026-07-31 に ByteDance Seed が Seedance 2.5 を公開している点です。あちらも参照ベース生成を前面に出しており(最大30枚の画像、10本の動画クリップ、10本の音声クリップを参照入力として受け付ける)、動画生成の関心が単発クリップから一貫性のある連作へ移っていることが、複数ベンダーの動きから読み取れます。
何が変わったか
grok-imagine-video-1.5が text-to-video に対応- 同モデルが reference-to-video に対応(image-to-video は 2026-06-17 の広範リリース時点から対応)
- ネイティブ 1080p での出力をサポート(従来は 720p)
- 提供は xAI API 経由
- バージョン番号は 1.5 のままで能力が拡張されている
業務インパクト(一般企業向け)
動画生成を業務で検討している組織にとって、比較材料が1つ更新されたという位置づけです。720p 止まりだった時期は、納品物として使うには解像度が足りず、検証止まりになりやすい条件でした。ネイティブ 1080p に上がったことで、実際の制作物として使えるかどうかの評価に進めます。
比較の観点として実務的なのは reference-to-video の質です。企業が動画を作るとき、単発で終わることは稀です。製品紹介、社内研修、SNS 運用のいずれも、複数本を同じトーンで作る必要があります。テキストから毎回生成すると、本数が増えるほどブレます。参照素材を渡して一貫性を保てるかどうかが、実務で使えるかの分かれ目になります。
API 提供という形態も選定に影響します。既存のワークフローへ組み込め、大量生成やパイプライン化がしやすい構成です。逆に、UI で試行錯誤しながら作りたい用途には向きません。どちらの使い方を想定しているかで、選ぶべきツールは変わります。
導入判断で確認すべきは、生成物の権利関係と、xAI へのデータ送信の扱いです。参照素材を渡す方式では、自社の素材やブランドアセットを外部に送ることになります。既存のベンダー審査基準に照らして判断が必要です。Grok 4.5 が Copilot に追加された際(2026-07-28)にも同じ論点がありましたが、動画生成では送るものがコードではなく画像や映像素材になります。
運用上の注意として、xAI の release notes は日付が月単位でしか記載されないため、いつ提供が始まったのかを正確に追えません。バージョン番号が変わらないまま仕様が変わるケースもあるため、監査や記録の観点で提供開始日を残す必要がある場合は、自社で確認した日と確認時点の仕様を記録しておく必要があります。
副業・個人活用視点
動画制作を扱っている人にとっては、以前に検証して 720p で見送ったなら、再評価の価値があります。同じモデル名なので「もう試した」と思い込みやすいところですが、解像度と入力系統が変わっています。
reference-to-video はクライアントワークで効きます。前回作った動画のトーンを引き継いで新しい尺を作る、ブランドのビジュアルガイドに沿った映像を作る、といった要求は現場で日常的に出ます。参照を渡せる方式なら、この要求に応えやすくなります。
API 経由という点は、使い方を選びます。手を動かして試行錯誤するなら UI ベースのツール(Runway など)の方が早いでしょう。一方で、同じ処理を大量に回す仕事、たとえば商品カタログの各アイテムに短い紹介動画を付けるような案件では、API の方が圧倒的に効率的です。自分の受ける仕事がどちらのタイプかで、投資すべきツールが決まります。
同時期に Seedance 2.5 が30秒のワンパス生成と大量の参照入力(画像30枚、動画10本、音声10本)を打ち出しているので、実際に選ぶ前には両方を比較する価値があります。ただし Seedance の API は BytePlus ModelArk 経由で「近日提供」の段階なので、今すぐ API で使えるという点では Grok が先行しています。