OpenAI Codex

Codex CLI 0.146.0、セッション命名とピン留めに対応しプラグイン配布先に Claude Code と Bedrock を追加

Codex CLI の stable 版 0.146.0 がリリースされた。`/new` や `/clear` で新しいセッションに名前を付けられるようになり、重要なスレッドのピン留め、サイド会話を閉じずに切り替える操作に対応した。スレッドの fork はページング付き履歴と一時 fork に対応。プラグイン側では Agent Plugins のマニフェストとワークスペース単位の公開に対応し、マーケットプレイスとして Amazon Bedrock と Claude Code が追加された。app-server はリモート Code Mode ホストへ WebSocket 接続でき、エンタープライズプランの認識とアプリ内更新の管理者制御も入っている。

ニュース原文を読む ↗

要約

Codex CLI の stable 版 0.146.0 がリリースされました。会話管理とプラグイン基盤の両面に、運用の作法が変わる規模の追加が入っています。

会話管理では、/new/clear で新しいセッションに名前を付けられるようになりました。あわせて重要なスレッドのピン留め、サイド会話を閉じずに切り替える操作にも対応しています。スレッドの fork も強化され、ページング付きの履歴を持つ fork と、スレッド一覧に出ない一時的な fork の2種類が使えます。方向性としては、1本の長い会話を延々と続けるのではなく、目的ごとにスレッドを分けて名前を付け、必要なものをピン留めして並行運用する使い方に寄せられています。

プラグイン側の変更はより構造的です。Agent Plugins のマニフェストがサポートされ、ワークスペース単位でのプラグイン公開に対応しました。そしてプラグインマーケットプレイスとして Amazon Bedrock と Claude Code が追加されています。競合ツールである Claude Code がプラグインの配布先として公式に並んだかたちで、ツール間の関係が「どちらかに移行する」ではなく「両方使う前提で資産を共有する」方向に進んでいることが機能として現れています。

実行環境の面では、app-server がリモートの Code Mode ホストへ WebSocket 接続できるようになりました。また互換のあるカスタムモデルプロバイダーでも単体の Web 検索が使えるようになり、スキル周りでは実行環境(executor)が提供するスキルの発見と、それに紐づくリソースの安全な読み取りに対応しています。

修正面で目立つのはプロキシ対応の徹底です。認証、プラグインのダウンロード、MCP 認可、リモート実行、WebSocket、リダイレクト、LM Studio 接続と、外向き通信のほぼ全経路にわたって設定済みのプロキシを尊重するよう修正されています。MCP 接続と Apps ツールについても、認証や構成が変わったときに健全な接続を切らずに再接続する挙動へ改善されました。中断・リプレイ・インポート・fork をまたいだメッセージや承認設定の保持も入っています。

運用面では、リリース成果物とチャネルメタデータの配布が OpenAI ホストのインフラへ移り(GitHub はフォールバック)、エンタープライズプランの認識とアプリ内更新に対する管理者制御が追加されました。

何が変わったか

  • /new / /clear で新規セッションに名前を付けられる
  • 重要なスレッドのピン留め、サイド会話を閉じずに切り替える操作に対応
  • ページング付き履歴を伴うスレッド fork、および一覧に出ない一時 fork に対応
  • Agent Plugins マニフェストのサポートと、ワークスペース単位でのプラグイン公開
  • プラグインマーケットプレイスに Amazon Bedrock と Claude Code を追加
  • app-server からリモート Code Mode ホストへの WebSocket 接続
  • 互換カスタムモデルプロバイダーでの単体 Web 検索
  • executor 提供スキルの発見と、関連リソースの安全な読み取り
  • プロキシ設定の尊重を認証・プラグイン取得・MCP 認可・リモート実行・WebSocket・リダイレクト・LM Studio 接続へ拡大
  • MCP 接続と Apps ツールを認証/構成変更に追随させ、健全な接続を維持したまま再接続
  • 中断・リプレイ・インポート・fork をまたいだメッセージ、承認設定、タイムスタンプの保持
  • コンテキストが厳しい状況でも利用可能なスキルをより多く維持し、スキルカタログの切り詰め時に警告を出す
  • Windows のナビゲーションキー修正、サンドボックス化されたプロセスツリーの確実な終了
  • リリース配布を OpenAI ホストのインフラへ移行(GitHub はフォールバック)
  • エンタープライズプランの認識と、アプリ内更新に対する管理者制御

業務インパクト(一般企業向け)

企業導入の観点でいちばん効くのはプロキシ対応の徹底です。社内ネットワークからの利用では、プロキシ配下で認証だけは通るがプラグインの取得や MCP の認可で失敗する、という切り分けの難しい不具合が起きがちでした。今回の修正は外向き通信の経路をほぼ網羅しているため、これまで導入を保留していた環境でも再評価する価値があります。あわせてサンドボックス化されたプロセスツリーを確実に終了させる修正も入っており、実行環境の後片付けが安定します。

エンタープライズプランの認識とアプリ内更新の管理者制御は、バージョン管理を情シス側で握りたい組織にとって前提条件になる機能です。CLI ツールは利用者が勝手に最新版へ上げられる性質があり、それを制御できないと検証済みバージョンで揃える運用が成立しません。管理者制御が入ったことで、社内標準バージョンを定める運用が現実的になります。

セッション命名とピン留めは、地味に見えて業務フローに影響します。1つの案件を長い会話で進めると、後から「どの判断をどこでしたか」を辿れなくなります。目的単位でスレッドを切って名前を付ける運用は、作業ログとしての可読性を上げます。チームで Codex を使う場合、命名規則を決めておくだけで引き継ぎの負荷が下がります。

プラグインマーケットプレイスに Claude Code が加わった点は、ツール選定の議論の前提を変えます。「Codex か Claude Code か」を決めきる必要は薄れ、プラグインやスキルという形で共通の資産を作り、実行するツールは案件や担当者に合わせて選ぶ、という構成が取れるようになってきています。ワークスペース単位のプラグイン公開に対応したことも、社内共通のプラグインを配る運用と噛み合います。

副業・個人活用視点

セッションの命名とピン留めは、複数案件を並行して抱える働き方と相性が良い機能です。案件ごとにスレッドを立てて名前を付け、進行中のものをピン留めしておけば、切り替えのたびに文脈を思い出す手間が減ります。サイド会話を閉じずに切り替えられるので、「本筋の作業中に別件の調べものを挟む」動きも自然にできます。

スレッド fork の使いどころは、方針の分岐を試すときです。ある設計方針で進めた会話を fork して別方針を試し、良い方を残すという進め方ができます。一覧に出ない一時 fork があるのは実用的で、試行のたびにスレッド一覧が汚れずに済みます。

互換カスタムモデルプロバイダーでの Web 検索対応と LM Studio 接続のプロキシ修正は、ローカルモデルや別プロバイダーを混ぜて使っている人向けの改善です。コストを抑えたい作業はローカルや安価なモデルに回し、判断が必要なところだけ上位モデルを使う構成が組みやすくなります。

Claude Code をすでに使っているなら、プラグインを両方のツールで共有できる方向に進んでいることを前提に道具立てを考えるのが得です。片方に寄せる決断を急がず、スキルやプラグインという再利用できる単位に作業手順を落としておく方が、ツールの流行り廃りに強い資産になります。

codex cli plugin mcp enterprise