Managed Agents の allowed_hosts が web_search / web_fetch にも効くようになった。既存設定はセッション作成が 400 で落ちる
Claude Managed Agents で limited networking を使うクラウド環境の allowed_hosts が、サンドボックスの通信だけでなく web_search と web_fetch にも適用されるようになった。一致しないホストへの web_fetch は url_not_allowed エラーを返し、web_search は該当ホストの結果を除外する。allowed_hosts が空なら両ツールは何も返さない。さらに、有効化した web ツールの allowed_domains に allowed_hosts に含まれないエントリがあると、セッション作成が 400 エラーで失敗する。allowed_hosts のエントリは *. で始まらない限り単一の完全一致ホストであり、docs.example.com は example.com には含まれない。unrestricted networking と self-hosted 環境ではこれらのツールは制限されない。
ニュース原文を読む ↗要約
Anthropic が2026年10月7日、Claude Managed Agents の limited networking の挙動を変更しました。 クラウド環境の allowed_hosts が、これまでサンドボックスの通信だけを縛っていたところから、サーバー側 web ツール(web_search と web_fetch)の到達範囲も縛るようになりました。
挙動の詳細は次のとおりです。
allowed_hostsに一致しないホストの URL をweb_fetchが取得しようとすると、エージェントへurl_not_allowedのエラー結果が返るweb_searchは、一致しないホストの検索結果を除外するallowed_hostsにホストが1つも入っていない場合、どちらのツールもページも検索結果も返さないallow_package_managersとallow_mcp_serversは、これらのツールに対してホストを追加しない- ツールにホストを到達させるには
allowed_hostsへ追加する。その追加はサンドボックスに対しても同じホストを開く unrestrictednetworking と self-hosted 環境では、これらのツールは制限されない
実務上もっとも重いのは、セッション作成が失敗する点です。 limited networking で、有効化した web ツールの allowed_domains に allowed_hosts に含まれないエントリがあると、セッション作成が 400 エラーで失敗します。 そのエントリを追加するセッション更新も同様に失敗します。エージェントが動いてから「取得できませんでした」と返るのではなく、そもそもセッションが立ち上がりません。
そして一致の判定が厳密です。 allowed_hosts のエントリは *. で始まらない限り単一の完全一致ホストとして扱われます。公式が挙げている例がそのまま要点で、docs.example.com は ["example.com"] には含まれません。 サブドメインを許可するには *.example.com と書く必要があります。
解消方法は2択です。allowed_hosts にホストを追加するか、allowed_domains からそのエントリを外すか。
何が変わったか
limitednetworking のクラウド環境で、allowed_hostsがweb_searchとweb_fetchにも適用される- 一致しないホストへの
web_fetchはurl_not_allowedエラー結果をエージェントへ返す web_searchは一致しないホストの結果を除外するallowed_hostsが空の場合、両ツールは何も返さないallow_package_managers/allow_mcp_serversはこれらのツールにホストを追加しないallowed_hostsへの追加は、サンドボックス側にも同じホストを開く- 破壊的変更: 有効化した web ツールの
allowed_domainsにallowed_hosts外のエントリがあると、セッション作成が 400 エラー。該当エントリを追加するセッション更新も 400 allowed_hostsのエントリは*.始まりでない限り単一の完全一致ホスト。docs.example.comは["example.com"]に含まれないunrestrictednetworking と self-hosted 環境はこの制限の対象外
業務インパクト(一般企業向け)
先に棚卸しをしてください。 これは「新機能が増えた」ではなく「既存設定が動かなくなり得る」変更です。limited networking を使っている環境について、allowed_domains に書いてあるホストが allowed_hosts にも揃っているかを確認する必要があります。揃っていなければセッション作成の時点で 400 です。CI やバッチでエージェントセッションを立てている構成だと、朝のジョブが一斉に落ちる形で気づくことになります。
サブドメインの落とし穴が一番危険です。 example.com と書けばその配下も許可されると考えるのは自然ですが、公式は明確に否定しています。 docs.example.com を使いたいなら、docs.example.com を個別に書くか *.example.com と書くかのどちらかです。社内ドキュメントや製品マニュアルを参照させるエージェントは、だいたいサブドメインにあります。ここを見落とすと、設定したつもりで検索結果から黙って消えるという形で出ます。web_search は除外するだけでエラーを返さないため、こちらは特に気づきにくいです。
統制の観点では、これは素直に歓迎できる変更です。 これまで limited networking は「サンドボックスの通信は縛るが、サーバー側 web ツールは別経路で外に出られる」という状態でした。情シス審査で「このエージェントはどこまで外部にアクセスできるか」と問われたとき、サンドボックスと web ツールで2つ説明する必要があったわけです。それが allowed_hosts 1か所に統一されました。許可リストが1つになったことは、監査の説明コストをそのまま下げます。
ただし「1か所になった」ことの裏返しも押さえてください。 allowed_hosts にホストを追加すると、web ツールだけでなくサンドボックスにもそのホストが開きます。 「検索で参照させたいだけ」のホストを追加すると、サンドボックス内のコードからもそこへ通信できるようになります。細かく分けたい場合は、この仕様が制約になります。
allow_package_managers と allow_mcp_servers が web ツールに効かない点も明示されました。 npm や PyPI を許可していても、web_fetch でそのドメインを取得することはできません。別物として扱う必要があります。
unrestricted networking と self-hosted 環境は対象外です。 つまりこの変更で困るのは、セキュリティを締めている環境だけです。緩い設定のままの環境には影響がありません。構造としてはやや皮肉ですが、limited を選んでいる組織ほど作業が発生します。
副業・個人活用視点
個人開発で Managed Agents を使っている場合、まず unrestricted で動かしているかを確認してください。 unrestricted なら影響はありません。limited を使っているなら、allowed_domains と allowed_hosts の整合を確認する作業が必要です。個人の構成は設定ファイルが1つなので、確認自体は数分で終わります。
受託案件では、この変更を「説明材料」として使えます。 クライアントの情シス審査で「エージェントはどこに通信するのか」を問われる場面は増えています。allowed_hosts 1か所で web 検索・取得・サンドボックスのすべてが決まるという構造は、審査で説明しやすい設計です。「許可リストはこのファイルのこの行です」と1か所を指せるのは、審査の通りやすさに直結します。
サブドメインの仕様は、提案時の見積りに影響します。 参照させたいドキュメントサイトが複数のサブドメインに分かれている場合、*.example.com でまとめるか個別に列挙するかの判断が必要です。ワイルドカードでまとめると、意図しないサブドメインも開きます。 セキュリティ要件が厳しい先には個別列挙を提案することになり、その棚卸し作業が工数になります。設計段階で「参照先ホストの一覧」をクライアントから出してもらう段取りを組んでおくと手戻りが減ります。
web_search が黙って結果を除外する点は、デバッグの落とし穴として覚えておいてください。 エラーが出ないので「検索結果が少ない」「欲しい情報が出てこない」という症状になります。web_fetch は url_not_allowed を返すのでまだ分かりやすいですが、検索側は原因究明に時間を取られます。挙動がおかしいときは allowed_hosts を疑うというチェック項目を、自分の手順に入れておく価値があります。