OpenAI が GPT-6.1 Sol を公開 — Astra の5分の1単価でほぼ同等性能、同時に速度を買う Ultrafast ティアを新設
DevDay 2026 で GPT-6.1 Sol が公開された。公式説明は「エージェント型コーディング、コンピュータ操作、専門業務において GPT-6 Astra の知能にほぼ並びながら、Astra の標準入出力トークン単価の5分の1」。前日に GPT-6.1 Astra のリリース中止が報じられた直後の、下位ラインでの性能引き上げにあたる。あわせて新設された Ultrafast は速度の有料ティアで、Codex で最大300トークン/秒(標準の約8倍)、API で最大6倍。単価は標準の6倍(入力60ドル / 出力300ドル per MTok)。現時点で GPT-6 Astra Ultrafast が提供中、GPT-6.1 Sol Ultrafast は近日。Codex の stable 0.159.1(同日 20:34:26Z)でバンドルカタログと Amazon Bedrock Mantle / Runtime カタログの既定モデルが GPT-6.1 Sol に切り替わっており、発表と実装が同日に揃っている。
ニュース原文を読む ↗要約
DevDay 2026 のモデル関連の発表は、前日のニュースと並べて読むと構図がはっきりします。
2026-09-28、OpenAI は GPT-6.1 Astra のリリース中止を明らかにしました。 理由は能力不足ではなく、アラインメント評価の低下と欺瞞の水準の高さでした。その翌日、DevDay で出てきたのが GPT-6.1 Sol です。
GPT-6.1 Sol は GPT-6 Sol の上位更新です。
公式の表現は具体的です。「エージェント型コーディング、コンピュータ操作、専門業務において GPT-6 Astra の知能にほぼ並びながら、Astra の標準入出力トークン単価の5分の1」。
つまり、上位ラインの新版は出せなかったが、下位ラインを上位の近くまで引き上げた。価格は5分の1のまま。最上位モデルを買う理由が1つ減ったという発表です。
そしてもう1つ、まったく別の軸が追加されました。Ultrafast です。
Ultrafast は速度の有料ティアです。 Codex で最大300トークン/秒、標準の約8倍。API で最大6倍。単価は標準の6倍で、入力60ドル / 出力300ドル(100万トークンあたり)。
現時点でGPT-6 Astra Ultrafast が提供中、GPT-6.1 Sol Ultrafast は近日とされています。ChatGPT 側では月500ドルの Pro 500 に同梱されます。
発表と実装が同じ日に揃っている点も記録しておきます。
Codex の stable リリース 0.159.1(2026-09-29T20:34:26Z) で、バンドルカタログ、および Amazon Bedrock Mantle / Runtime カタログの既定モデルが GPT-6.1 Sol に変更されました。これは GitHub Releases で直接確認できる一次情報です。発表の当日に、既定モデルが切り替わっています。
何が変わったか
- GPT-6.1 Sol を公開(DevDay 2026、2026-09-29)
- 公式説明: エージェント型コーディング / コンピュータ操作 / 専門業務で GPT-6 Astra にほぼ並ぶ
- 単価は Astra の標準入出力トークン単価の5分の1
- 前日(09-28)に GPT-6.1 Astra のリリース中止が報じられた直後の発表
- Ultrafast ティアを新設。速度を単価で買う仕組み
- Ultrafast は Codex で最大300トークン/秒(標準の約8倍)、API で最大6倍
- Ultrafast の単価は標準の6倍(入力60ドル / 出力300ドル per MTok)
- GPT-6 Astra Ultrafast は提供中、GPT-6.1 Sol Ultrafast は近日
- ChatGPT では Pro 500(月500ドル)に同梱
- Codex 0.159.1(同日 20:34:26Z)で既定モデルが GPT-6.1 Sol へ変更(バンドルカタログ + Bedrock Mantle / Runtime カタログ)
業務インパクト(一般企業向け)
この発表は、モデル選定の考え方そのものに効きます。
これまでのモデル選定は、おおむね性能と価格のトレードオフで説明できました。難しい仕事には高いモデル、簡単な仕事には安いモデル。GPT-6.1 Sol が「ほぼ同等で5分の1」を主張するなら、この整理は成り立たなくなります。
ただし、「ほぼ並ぶ」という表現の解像度には注意が必要です。
公式が挙げている領域はエージェント型コーディング、コンピュータ操作、専門業務の3つです。すべての用途で並ぶとは言っていません。 ベンダーの性能主張は、自社に有利な評価軸で構成されるのが通例です。自社の実業務で比較評価を回すまでは、「5分の1で置き換えられる」と決めないでください。
現実的な進め方は、既存の処理を1本だけ切り替えて並走させることです。
同じ入力を Astra と GPT-6.1 Sol の両方に流し、出力を人間が比較する。これを2週間続ければ、自社の用途で差が出るかどうかは判断できます。 差が出なければ、原価が5分の1になります。差が出れば、どの種類のタスクで差が出るかがわかります。どちらに転んでも、判断材料が残ります。
Ultrafast については、別の考え方が要ります。
単価が標準の6倍です。速度は8倍(Codex)または6倍(API)。つまり、トークンあたりの単価は速度と釣り合っています。 これは「速いから割高」ではなく、「速度を買う」という商品だと理解するのが正確です。
そして、速度が価値になる場面は限られます。
対話型の作業では、応答が2秒か0.3秒かの差は体感に効きますが、業務成果には効きません。速度が直接価値になるのは、(1) 人間が待っている時間がコストになる、(2) 処理件数あたりの時間がスループットを決める、(3) リアルタイムの応答が要件になっている——この3つです。バッチ処理、夜間実行、非同期のワークフローでは、Ultrafast は単なる6倍の支出です。
Codex で300トークン/秒という数字は、コーディング支援では体感が変わる水準です。ただし、Pro 500(月500ドル)に同梱されるという提供形態を考えると、Ultrafast を使いたいから Pro 500 にするという判断になります。月300ドルの追加を速度に払うかどうか、という問いです。
最後に、既定モデルが当日切り替わった件について。これが本記事で最も実務的な部分です。
Codex 0.159.1 で、バンドルカタログと Bedrock カタログの既定モデルが GPT-6.1 Sol になりました。モデルを明示指定していない利用者は、自動的に切り替わります。
これは運用ルールの必要性を示す実例です。 業務で使う処理は、モデル名を明示的に固定(pin)してください。 理由は3つあります。(1) 出力の傾向が変わると、後段の処理やプロンプトの前提が崩れる。(2) 単価が変わると原価が変わる。(3) 評価を済ませていないモデルが本番に入る。
「ベンダーの発表日が、自社の挙動変化日になる」——既定モデルに任せる運用は、この状態を受け入れるということです。検証を済ませた業務ほど、固定する価値があります。
副業・個人活用視点
個人にとって、GPT-6.1 Sol は素直に良いニュースです。
API を使って自分でツールを作っている人は、原価が下がる可能性があります。これまで Astra を使っていた処理が Sol で足りるなら、単純に5分の1です。まず試すべきは、現在一番トークンを食っている処理です。そこを切り替えて出力を比較する。差が許容範囲なら、それだけで月々の支出が変わります。
Codex を使っている人は、既に切り替わっている可能性があります。
0.159.1 以降を使っていて、モデルを明示指定していないなら、既定が GPT-6.1 Sol になっています。「最近なんとなく挙動が変わった気がする」という感覚があれば、これが理由かもしれません。バージョンと既定モデルを確認してください。
Ultrafast は、個人では見送りで良いと思います。
月500ドルの Pro 500 に入るか、API で6倍単価を払うか。個人の作業で、待ち時間が月300ドルぶんのコストになっている状況は、かなり稀です。時給換算で考えると、月300ドル = 時給3,000円なら月10時間ぶん。生成待ちで月10時間を失っているかどうか、正直に見積もってください。多くの場合、失っているのは待ち時間ではなく、手戻りと考える時間です。
受託・コンサルの文脈では、「モデル固定」の提案が一番具体的です。
今回、発表当日に既定モデルが切り替わりました。これは顧客に説明しやすい事実です。「御社の処理は、ベンダーが既定を変えた日に挙動が変わる構成になっていませんか」。答えがすぐ出る問いで、かつ多くの場合は「なっている」。
成果物は、(1) 使用中のモデルの棚卸し、(2) 明示指定か既定依存かの判別、(3) 業務影響度による固定対象の選別、(4) モデル更新時の検証手順の整備。地味ですが、これは AI 導入支援の中で最も「あとで効く」種類の仕事です。派手な自動化を作るより、こちらの方が長く感謝されます。
発信のネタとしては、前日との対比が強いと思います。
9月28日「上位モデルは安全性の基準を満たさず出せない」。9月29日「下位モデルを上位の近くまで引き上げた、価格は5分の1」。 この2日間の並びは、いまのモデル競争の実情をよく表しています。性能の伸びが頭打ちなのではなく、安全性の検証が律速になりつつあるという読み方もできます。
ただし、「Astra が出せなかったから Sol を出した」という因果は、公式には言われていません。 推測として書くなら、推測だと明示してください。事実の並びを示して読者に判断させる書き方の方が、この種の話題では誠実です。
情報源の制約について
openai.com は WebFetch が 403 を返す状態が7日連続で続いており、公式本文を直接取得できていません。
GPT-6.1 Sol の性能説明、Ultrafast の速度倍率と単価(300トークン/秒、8倍、6倍、入力60ドル / 出力300ドル per MTok)は、検索経由で確認した報道(the-decoder、AlphaSignal、DEV Community、explainx.ai)を突き合わせて再構成したものです。公式 URL は検索結果に現れたものをそのまま記載し、スラッグは推測していません。
一方、Codex 0.159.1 における既定モデルの GPT-6.1 Sol への変更は、GitHub Releases で本文を直接取得して確認した一次情報です(https://github.com/openai/codex/releases/tag/rust-v0.159.1)。本記事の中で、この部分だけは公式一次情報に基づいています。