Supabase Changelog ダイジェスト — 直近の継続的アップデートをカテゴリ別に追う
Launch Week 以外の Supabase の継続的な小〜中規模アップデートをカテゴリ別(Database / Auth / Storage / Realtime / Edge Functions / Platform / Dashboard)に整理する。
この章の要点
- Supabase は Launch Week 以外にも週次〜月次ペースで継続的なアップデートを配信している
- 公式 Changelog・GitHub Releases・月次 Developer Update の 3 系統を定点観測することで網羅できる
- 直近 12 ヶ月(2025-05 〜 2026-05)の主要アップデートをカテゴリ別に整理する
- 取得日: 2026-05-08
- 大型発表(Launch Week)は第 40 章で扱う。本章はその間を埋める継続アップデートを担当する
Changelog の追い方
| ソース | URL | 更新頻度 |
|---|---|---|
| 公式 Changelog | https://supabase.com/changelog | 随時(週複数回) |
| GitHub Discussions(changelog カテゴリ) | https://github.com/orgs/supabase/discussions/categories/changelog | 随時 |
| 月次 Developer Update(blog) | https://supabase.com/blog/tags/release-notes | 月 1 回 |
| supabase/supabase GitHub Releases | https://github.com/supabase/supabase/releases | 月 1 回(v1.26.xx 形式) |
| 各リポジトリ Releases | 後述 | 随時 |
リポジトリ別の追い方
各コンポーネントは独自リポジトリでバージョン管理されている。
RSS / 通知設定
- GitHub の各リポジトリで「Watch → Releases only」を設定すると、メールで通知が届く
- Supabase 公式 X(Twitter)アカウント @supabase でも都度発信される
カテゴリ別ダイジェスト(2025-05 〜 2026-05)
Database
| 日付 | アップデート | 出典 |
|---|---|---|
| 2026-04-28 | Data API への自動公開をデフォルト無効化(破壊的変更予告):新規プロジェクトでは public スキーマの新テーブルが自動的に Data API / GraphQL エンドポイントに公開されなくなる。既存プロジェクトへの適用は 2026-10-30 に延期 | Changelog |
| 2026-04-24 | RLS Tester (Feature Preview):ダッシュボードから Row Level Security ポリシーを任意のロール・条件で動的にテストできる機能がプレビュー公開 | Changelog |
| 2026-04-20 | PostgREST 自動リトライ:全公式クライアントライブラリが一時的なネットワークエラー発生時に DB クエリを自動リトライするようになった | Changelog |
| 2026-04-16 | pg-delta パブリックアルファ:宣言的スキーマ管理ツール pg-delta の CLI が公開。supabase db diff と組み合わせてスキーマをコードで管理できる | Changelog |
| 2026-01-08 | PostgREST v14 全リージョン展開:Data API を PostgREST v14 へアップグレード。JWT キャッシュによる GET スループット向上、複雑な DB のスキーマキャッシュ読み込み高速化 | Developer Update Jan 2026 |
| 2026-01-08 | Index Advisor をダッシュボードに統合:Table Editor から欠損インデックスを検出できる Index Advisor が利用可能に | Developer Update Jan 2026 |
| 2025-12-11 | PostgREST v14 リリース(全リージョン展開の前段階) | Changelog |
| 2025-03-25 | Dedicated Pooler(PgBouncer)GA:専用コネクションプーラーが正式リリース。大量同時接続が必要なアプリ向け | Changelog |
| 2025-01-27 | Free プランの DB サイズ上限緩和:1 プロジェクトあたりの DB サイズ上限を 0.5 GB に拡大 | Changelog |
Auth
| 日付 | アップデート | 出典 |
|---|---|---|
| 2026-05-01 | OAuth トークンエンドポイントが HTTP 200 を返すよう変更(破壊的変更):OAuth 2.1 仕様に準拠し /v1/oauth/token が 201 → 200 に変更。独自統合を持つプロジェクトは要対応 | Changelog |
| 2026-04-28 | Auth v2.189.0:パスキー認証に CAPTCHA オプションを追加、/resend エンドポイントに PKCE サポート追加、レートリミットのライブリロードに対応、フローステート再利用を防止するセキュリティ強化 | supabase/auth v2.189.0 |
| 2026-04-08 | カスタム OAuth/OIDC プロバイダー GA:任意の標準準拠 IdP(Government IdP、GitHub Enterprise 等)を Supabase Auth に接続できるようになった。自動ディスカバリー対応、PKCE デフォルト有効。1 プロジェクトあたり最大 3 プロバイダー | Blog |
| 2025-12-04 | OAuth 2.1 サーバー機能(Sign in with Your App):Supabase Auth 自体を OAuth 2.1 / OIDC プロバイダーとして使用できるようになった。MCP サーバー認証・サードパーティアプリ連携・エンタープライズ SSO に対応。RLS ポリシーが OAuth アクセストークンにも適用される | Blog |
| 2025-08-27 | Personal Access Token に有効期限と利用追跡を追加:セキュリティ強化としてトークンの期限設定と使用状況の確認が可能に | Changelog |
| 2025-03-03 | サードパーティ Auth の MAU クォータを大幅拡大:各プランで Third-party Auth の月間アクティブユーザー上限が引き上げられた | Changelog |
Storage
| 日付 | アップデート | 出典 |
|---|---|---|
| 2026-05-09 | Storage API v1.58.9:tus アップロードのパストラバーサル脆弱性を修正(セキュリティパッチ) | storage-api v1.58.9 |
| 2026-03-05 | Storage 大規模パフォーマンス改善:オブジェクト一覧取得が 6,000 万行超のデータセットで最大 14.8 倍高速化。skip-scan アルゴリズム + カーソルベースページネーションへ移行。prefixes テーブル・6 個のトリガー・12 個のヘルパー関数を廃止。既存コードの変更不要。同時にパストラバーサル脆弱性も修正 | Blog |
| 2025-11-26 | Vector Bucket 管理がダッシュボードに対応(パブリックアルファ):エンベディング保存用の Vector Bucket をダッシュボードから管理できるようになった | Changelog |
| 2025-11-04 | Analytics Bucket 管理がダッシュボードに対応(パブリックアルファ):Iceberg 形式のカラム型ストレージをダッシュボードから操作可能に | Changelog |
| 2025-08-22 | Storage エグレス料金の値下げ:キャッシュヒット時のエグレス料金が 3 分の 1 に。CDN キャッシュを活用するプロジェクトで大幅なコスト削減が期待できる | Changelog |
Realtime
| 日付 | アップデート | 出典 |
|---|---|---|
| 2026-05-07 | Realtime v2.93.1:CDC ログマイグレーションの集計ロジックバグを修正 | realtime v2.93.1 |
| 2026-05-07 | Realtime v2.93.0:cowboy の動的バッファ設定を外部から制御可能に | realtime v2.93.0 |
| 2026-05-06 | Realtime v2.92.0:ウォッチドッグによるラグ検出機能を追加。接続遅延の可観測性が向上 | realtime v2.92.0 |
| 2026-05-04 | Realtime v2.90.0:テナントマイグレーションメトリクスの公開。Prometheus 等でモニタリング可能に | realtime v2.90.0 |
| 2024 年末以降 | Broadcast / Presence の認可機能実装:Realtime チャンネルの Broadcast と Presence に RLS ベースの認可を追加(正確な日付は要追記) | Changelog |
Edge Functions
| 日付 | アップデート | 出典 |
|---|---|---|
| 2026-04-30 | Edge Runtime v1.74.0:EdgeRuntime.miCollect() をメインワーカーに公開。mimalloc のメモリ管理を外部から制御可能に | edge-runtime v1.74.0 |
| 2026-04-24 | Edge Runtime v1.73.15:use-after-free 脆弱性を修正(tokio-eld 0.3.0 へ更新) | edge-runtime v1.73.15 |
| 2026-04-21 | Edge Runtime v1.73.13:HTTP クライアントにフェッチタイムアウトと TCP キープアライブを追加 | edge-runtime v1.73.13 |
| 2026-03-11 | 再帰的 Edge Functions 呼び出しにレートリミット導入:Edge Functions からの入れ子・再帰呼び出しに新しいレート制限が適用。無限ループや意図しない連鎖実行を防ぐ | Changelog |
| 2025-08-15 | 全リージョンが Deno 2.1 互換リリースへ移行:Edge Functions の全実行リージョンを Deno 2.1.x 対応ランタイムへ更新。既存の関数は変更不要。一時的に forceDenoVersion=1 ヘッダーで旧バージョンにフォールバック可能 | Discussion #37941 |
| 2025-04-01 | ダッシュボードから Edge Functions を作成・デプロイ可能に:CLI・Docker 不要でブラウザ上で関数を編集・テスト・デプロイできるようになった。同時に CLI に --use-api フラグ追加(Docker 不要デプロイ) | Blog |
Platform / Dashboard
| 日付 | アップデート | 出典 |
|---|---|---|
| 2026-05-07 | Developer Update May 2026 (v1.26.05):カスタム OAuth/OIDC、Data API スキーマ変更、ISO 27001 認証取得、Stripe Sync Engine 移管を含む大型アップデート | GitHub Release v1.26.05 |
| 2026-04-09 | Developer Update April 2026 (v1.26.04):Multigres Operator オープンソース化、GitHub 連携が全プランで利用可能に、Stripe Projects パートナーシップ開始 | GitHub Release v1.26.04 |
| 2026-03-05 | Developer Update March 2026 (v1.26.03):Storage 14.8x 高速化、Log Drains が Pro プランへ(Datadog / Sentry 等への転送)、AI テーブルフィルタリング、SQL スニペット保存機能 | GitHub Release v1.26.03 |
| 2026-02-17 | 匿名キーによる OpenAPI 仕様アクセスを廃止(破壊的変更):セキュリティ強化として anon key での /rest/v1/ OpenAPI spec 取得が不可に | Changelog |
| 2026-02-05 | PrivateLink 提供開始:AWS PrivateLink 経由でパブリックインターネットを経由せずに Supabase データベースへ接続可能に | Changelog |
| 2026-01-08 | Stripe Sync Engine のワンクリック統合:ダッシュボードから直接 Stripe のデータ(顧客・サブスクリプション・請求書)を SQL で照会できるように | Developer Update Jan 2026 |
| 2025-10-10 | Remote MCP サーバーリリース:Supabase の Remote MCP(Model Context Protocol)サーバーが公開。AI ツールからプロジェクトの管理・操作が可能に | Changelog |
CLI / SDK
| 日付 | アップデート | 出典 |
|---|---|---|
| 2026-05-05 | CLI v2.98.2(安定版):メーラーリンクのリグレッションを修正、API 型の同期 | cli v2.98.2 |
| 2026-05-04 | CLI v2.98.1:pg-delta バージョン処理を改善、SUPABASE_HOSTNAME 環境変数でローカルサービスホストを上書き可能に、Windows の JSON アンマーシャリングエラー修正 | cli v2.98.1 |
| 2026-04-30 | CLI v2.97.0:Claude Code プラグインヒントの出力を追加。AI エディタとの連携を強化 | cli v2.97.0 |
| 2026-01-08 | CLI に Python 型生成を追加:supabase gen types python コマンドで Python 用の型定義を生成できるようになった | Developer Update Jan 2026 |
| 2025-10-22 | supabase-js: 型推論の強化:埋め込み関数・算出リレーションシップに対する型生成が改善 | Changelog |
注目すべきトレンド
1. セキュリティ・認証の強化
OAuth 2.1 準拠(トークンエンドポイントの 200 応答化)、カスタム OIDC プロバイダー GA、パスキーへの CAPTCHA 追加、OpenAPI 仕様の匿名アクセス廃止など、Auth 周りのセキュリティ強化が一貫したテーマとして続いている。Supabase は 2026 年に ISO/IEC 27001:2022 認証を取得しており、エンタープライズ対応が加速している。
2. Data API のデフォルト設計の見直し
public スキーマの新テーブルが自動的に REST API / GraphQL に公開されていた挙動が段階的に廃止される(2026-10-30 に全プロジェクト適用)。「デフォルト公開」から「デフォルト非公開」への方針転換は、セキュリティバイデフォルトを重視する方向性を示している。
3. AI / エージェント対応の強化
Remote MCP サーバー(2025-10)、CLI への Claude Code プラグインヒント出力(2026-04)、ダッシュボードの「Fix with Assistant」機能、ドキュメントの Markdown エクスポートなど、AI エージェントからの利用を前提とした機能が急増している。
4. Storage の大規模リアーキテクチャ
prefixes テーブル廃止と skip-scan アルゴリズムへの移行(2026-03)は、既存コードの変更不要で 14.8x のパフォーマンス向上をもたらした。Analytics Bucket(Iceberg 形式)・Vector Bucket の追加と合わせ、Storage がデータプラットフォームへと進化している。
5. Edge Functions のランタイム成熟
Deno 2.1 への全リージョン移行(2025-08)、ダッシュボード上での開発・デプロイ(2025-04)、再帰呼び出しへのレートリミット(2026-03)と段階的に安定性・利便性が向上している。
6. データウェアハウス方向への拡張
ETL / Iceberg / Analytics Bucket の追加、Supabase Warehouse(オープンデータウェアハウスアーキテクチャ)の開発開始、multigres の OSS 化など、OLTP だけでなく分析ワークロードへの対応を強化している。
一次ソース(原文)
- Supabase Changelog(公式)
- Supabase GitHub Releases(supabase/supabase)
- supabase/auth Releases
- supabase/storage-api Releases
- supabase/realtime Releases
- supabase/edge-runtime Releases
- supabase/cli Releases
- GitHub Discussions: changelog カテゴリ
- Developer Update - April 2026
- Developer Update - March 2026
- Developer Update - January 2026
- Blog: Supabase Storage パフォーマンス・セキュリティ改善(2026-03-05)
- Blog: カスタム OAuth/OIDC プロバイダー(2026-04-08)
- Blog: OAuth 2.1 サーバー / Sign in with Your App(2025-12-04)
- Blog: Edge Functions ダッシュボード + Deno 2.1(2025-04-01)
- Discussion: 全リージョンが Deno 2.1 対応へ(2025-08-15)