Web開発 2026年5月10日

Cloudflare Load Balancing

複数のオリジン(マルチクラウド・マルチリージョン・マルチデータセンター)を Pool 単位で束ね、Cloudflare のグローバルエッジ網からヘルスチェック・地理・レイテンシ・接続数を軸にトラフィックを振り分ける GSLB(Global Server Load Balancer)兼アプリケーション LB である。

Load Balancing

一行サマリ

複数のオリジン(マルチクラウド・マルチリージョン・マルチデータセンター)を Pool 単位で束ね、Cloudflare のグローバルエッジ網からヘルスチェック・地理・レイテンシ・接続数を軸にトラフィックを振り分ける GSLB(Global Server Load Balancer)兼アプリケーション LB である。

解決する課題(Why)

クラウド・データセンターを跨いだ可用性設計を、自前の DNS や IaaS LB だけで成立させるのは年々苦しくなっている。Route 53 や Azure Traffic Manager は GSLB として機能するが、エッジでのヘルス検知の鮮度・グローバルプロキシ統合・WAF / Bot との一体運用は別問題として残る。Cloudflare Load Balancing は同社のエッジ網(330+ PoP)に統合された GSLB として、以下の課題を一枚岩で扱う。

  • マルチクラウド active-active 構成(AWS + GCP / オンプレ + クラウド)の宛先振り分けと自動フェイルオーバー。
  • リージョン障害・オリジン障害発生時の DNS TTL に縛られないフェイルオーバー(Proxied モードでは TTL 概念が消える)。
  • 地理・レイテンシに基づく最寄りリージョンへのルーティング(GSLB / GeoDNS 相当)。
  • ヘルスチェックを世界各地の Cloudflare PoP から多点で実施し、単一 Probing PoP の偏りを排除。
  • WAF / CDN / Bot Management / Rate Limiting と同一プレーンでのトラフィック制御。
  • L7(HTTP/HTTPS)に加え、Spectrum 連携で L4(TCP/UDP)の GSLB も同様に扱える。

主要機能(What)

Pools & Endpoints

Pool は複数 Endpoint(旧称 Origin。実体は IP / ホスト名で表されるオリジンサーバー)をひとまとめにした論理グループである。Pool 単位に Health Monitor を貼り、Pool 単位にステータス(Healthy / Degraded / Critical)が決まり、Load Balancer から Pool への振り分けと、Pool 内の Endpoint への振り分けが二段で行われる。

  • Pool = リージョン or クラウド単位(例:pool-aws-tokyo, pool-gcp-osaka, pool-onprem-dc1)が定石。
  • 各 Endpoint には Weight・Virtual Network ID(Tunnel 経由の場合)・Header Override 等を付与できる。
  • Pool は Account 単位で再利用可能(複数 Load Balancer から共通 Pool を参照できる)。
  • Pool 内の Endpoint 健全数が Minimum Origins を下回ると Pool 自体が Unhealthy 扱いとなり、上位の Traffic Steering が次の Pool にフェイルオーバーする。

Health Monitors

Pool に紐付けるアクティブヘルスチェック。世界各地の Cloudflare データセンターから定期 Probe を投げ、複数 PoP の合議で判定するため、単一拠点からの誤検知を抑えられる。

  • Type:HTTP / HTTPS / TCP / UDP-ICMP / ICMP-Ping / SMTP。
  • Selector 相当:Path / Method / Expected Codes / Expected Body / Custom Header / Host Header / Port / Follow Redirects / Allow Insecure (TLS 検証無効化) / Probe Zone(どの Zone のレピュテーションで Probe するか)。
  • Interval:60 秒以上が一般的(Free / Pro 制約)。Enterprise は短縮可能。
  • Consecutive up / down:何回連続成功・失敗で状態遷移するかの閾値。チャタリング抑制の要。
  • Probe Regions:WNAM / ENAM / WEU / EEU / NSAM / SSAM / OC / ME / NAF / SAF / SEAS / NEAS のうち選択。Probe All Regions で全 PoP から検査も可能(Enterprise)。
  • 失敗時には Notification(Webhook / Email / PagerDuty 連携)を送出。

Origin Steering(Pool 内の Endpoint 振り分け)

1 つの Pool に複数 Endpoint がある場合、Pool 内でどの Endpoint に流すかを決める方式。

方式動作使い所
Random(重み付きラウンドロビン)Endpoint Weight に従って確率的に振り分け既定値。一般的な水平分散・カナリアリリース(重み 95/5 等)
Hashクライアント IP のハッシュで Endpoint を決定DNS-only モードでの簡易セッション固定。ECS 設定により粒度調整
Least Outstanding Requests (LOR)各 Endpoint への未完了リクエスト数 × 重みで最も負荷の低い Endpoint へProxied のみ。リクエスト処理時間にばらつきがある API バックエンド
Least Connections各 Endpoint へのアクティブ接続数で最少を選択Proxied のみ。WebSocket / SSE / 長時間接続が混在するワークロード

LOR と Least Connections は Cloudflare のエッジが各 Endpoint への流量を実測している必要があるため、DNS-only モードでは選択不可である。

Traffic Steering(Pool 間の振り分け)

Load Balancer 単位で、どの Pool に振り分けるかを決める方式。Pool 内の Endpoint 振り分け(Origin Steering)と階層が分かれている点に注意。

方式動作DNS-onlyProxied使い所
Off(Failover Order)Pool リストの順序通り。先頭 Pool が Healthy ならそこへ全振り、Unhealthy で次へactive-passive。DR 用
RandomPool Weight に基づき確率分散リージョン横断のラフな A/B
Geo(Region)訪問者の地域(13 リージョン)と Pool のマッピングに従う「APAC からは Tokyo Pool、EU からは Frankfurt Pool」
Country(Geo Country)ISO 国コード単位でのマッピングデータレジデンシー(DE 国民は EU Pool 限定など)
Proximity(GeoCoordinate)訪問者の地理座標から Pool の Lat/Lng への球面距離で最寄りを選択国境より物理距離が支配的なワークロード
Dynamic(Latency)Cloudflare が継続測定する Pool ごとのレイテンシで最速を選択クラウド間で実効レイテンシが変動するケース
Least Outstanding RequestsPool 単位の未完了リクエスト数で最少を選択×Pool(リージョン)間で処理時間が偏る API
Least ConnectionsPool 単位のアクティブ接続数で最少を選択×長時間接続が多いリアルタイム系

DNS-only モードでは EDNS Client Subnet (ECS) をリゾルバが付与してくれる場合に限り、Geo / Proximity / Country が訪問者単位で機能する。location_strategy.prefer_ecs で ECS の優先度を制御できる。

Session Affinity(スティッキーセッション)

同一クライアントを同じ Endpoint に固定する仕組み。Proxied モードでのみ動作(DNS-only では DNS Persistence で代替)。

  • Cookie Only__cflb を Cloudflare が発行して Endpoint を覚える。デフォルト TTL 23 時間。HttpOnly / Secure 付与。
  • Cookie + Client IP Fallback:Cookie が無い初回はクライアント IP ハッシュで決定論的に振り分け。Cookie 取得後は Cookie 優先。
  • HTTP Header:指定ヘッダ値で固定。require_all_headers を有効化するとすべての指定ヘッダ揃いを要求。Sticky Zero-Downtime Failover は非対応
  • 不健全になった Endpoint からは自動的に他 Endpoint に再ルーティング。Session Drain(メンテ時にセッション維持しつつ新規振り分けを止める)も Endpoint 単位で操作可能。

Adaptive Routing(フェイルオーバー強化)

ルーティングの動的補正機能。2 つの設定からなる。

  • Hash sessions for failover affinity:Pool 内 Endpoint のフェイルオーバー時、同一クライアントが同じ代替 Endpoint に行くようハッシュで固定。
  • Failover across pools:521 / 522 / 523 / 525 / 526 など Cloudflare ⇄ Origin 間エラー発生時、別 Pool に1 回だけ即時リトライ。Healthy な代替 Pool が必要。

ヘルスモニタが Critical 判定する前の「最初の 1 リクエスト失敗」を救う性質で、ユーザー体感の可用性に効く。

Layer 4 LB(Spectrum 連携)

HTTP/HTTPS 以外の TCP / UDP プロトコル(SSH / SMTP / Minecraft / 任意の独自プロトコル)に対しては Spectrum が L4 プロキシとして手前に立ち、その配下に Load Balancing の Pool / Monitor / Steering を組み合わせる構成になる。

  • Health Monitor の TCP / UDP-ICMP / SMTP タイプはこの L4 構成のためにある。
  • ただし Custom Rules は Spectrum と非互換で、L7 のリクエスト属性ベースのルーティングはできない。
  • 料金は Spectrum 側(Enterprise)と Load Balancing 側の両方が発生する。

Custom Rules

リクエスト属性に応じて Load Balancer の挙動を上書きするルール群。

  • Expression:URI パス / Host / ヘッダ / Cookie / Country / ASN など Cloudflare Rules engine と同等の式。
  • Action:Pool 上書き(特定 Pool へ強制)、Steering Policy 上書き、Session Affinity 上書き、TTL 上書き、Fixed Response(メンテページ等)。
  • 典型ユースケース/api/* は API Pool、/static/* は CDN Origin Pool、特定国は Sorry ページ、Beta ユーザー(Cookie)は Canary Pool、など。
  • 制約:非 Enterprise は LB ホスト名あたり 1 ルールGeo Steering と相互排他Spectrum と非互換

DNS-only LB vs Proxied LB

観点DNS-only(gray cloud)Proxied(orange cloud)
仕組みCloudflare DNS が Healthy Pool の A/AAAA を返すCloudflare エッジが TCP/TLS を終端しオリジンへ proxy
TTL設定 TTL に依存(フェイルオーバー反映が遅い)TTL 概念なし(即時フェイルオーバー)
Session Affinity×
LOR / Least Connections×
Custom Rules×
Adaptive Routing×
WAF / Bot / Cache 連携×
任意プロトコル○(DNS だけなので何でも)HTTP/HTTPS のみ(L4 は Spectrum 併用)
料金安いProxy トラフィック費用が乗る

「TTL 縛りを外したい」「セッション固定が要る」「WAF と連動させたい」なら Proxied 一択、「とにかく軽量に GSLB だけ欲しい」「HTTP 以外を扱いたい」なら DNS-only、と判断軸を分けるのが現実解。

アーキテクト視点:いつ選ぶか

適しているシーン

  • AWS / GCP / Azure / オンプレを跨いだ active-active マルチクラウド構成。とくに既に Cloudflare をリバースプロキシとして前段に置いている組織。
  • リージョン障害時のフェイルオーバー RTO を DNS TTL より短くしたい SaaS(Proxied + Adaptive Routing)。
  • 「東京・大阪・シンガポール」のような複数リージョン active-active で、ユーザー位置に応じた最寄り PoP を選びたいケース(Dynamic / Proximity)。
  • データレジデンシー要件で「DE のユーザーは EU 内 Origin に固定したい」ケース(Country Steering)。
  • API バックエンドが処理時間に偏りを持ち、単純なラウンドロビンで詰まりが起きるケース(Least Outstanding Requests)。
  • WebSocket / SSE / 長時間接続混在のリアルタイムサービス(Least Connections)。
  • 既に WAF / CDN / Bot Management を Cloudflare に集約している組織。LB だけ別ベンダーにするより一体管理が効率的。

適していないシーン

  • 単一リージョン active-passive で済むワークロード。Route 53 Failover や Azure Traffic Manager で十分でコストも安い。
  • 既存 NS1 / F5 BIG-IP DNS / Akamai GTM に深く投資済みで、Real User Monitoring(RUM)ベースの精緻な GSLB 運用ができている組織。Cloudflare の Steering は十分高機能だが、RUM ベース GSLB の細密さでは NS1 / Akamai に劣るケースがある。
  • オリジンが完全に Cloudflare 配下(Workers / R2 / D1)で完結する場合は LB 不要。Workers のリージョンレス実行と Smart Placement で代替できる。
  • マルチクラスター Kubernetes の east-west トラフィックを GSLB したいケース。これは Service Mesh(Istio / Linkerd / Cilium Cluster Mesh)の領分で、Cloudflare LB は south-north 専用と割り切る。

競合・代替

観点Cloudflare Load BalancingAWS Route 53 (ARC)NS1 (IBM)F5 BIG-IP DNS (旧 GTM)Akamai GTMAzure Front Door
出自グローバル CDN/AnycastAWS マネージド DNS純血 Managed DNS / GSLB 専業オンプレアプライアンス GSLBグローバル CDN GSLBMicrosoft マネージド ADC
プロキシ統合○(同一エッジで proxy)×(DNS のみ。CloudFront 別物)×(DNS のみ)△(BIG-IP LTM 併用)○(CDN と統合)○(Front Door L7)
RUM ベース GSLB△(Dynamic はエッジ計測)×○(Pulsar)○(mPulse 連携)
健康監視 PoP 数330+ PoP から多点限定リージョングローバル自前構築グローバルMicrosoft 網
L4 / 任意プロトコル○(Spectrum 併用)○(DNS なら何でも)△(HTTP 中心)
料金モデル$5/月 + 従量$0.50/zone + クエリ + ヘルスチェック高い(要見積)ライセンス(高額)エンタープライズ契約$35/月 + 従量
強みエッジ統合・WAF/CDN 一体・即時フェイルオーバーAWS 内サービス連携・低単価RUM ベース・DNS 専門ノウハウオンプレ・カスタムロジック自由度大規模配信網との一体運用Azure 内サービス連携
弱みRUM 精緻さは GTM 系に劣るプロキシ統合無し・反映が TTL 縛り価格・他クラウド統合は手作業クラウドネイティブ性に乏しい高コスト・小規模に向かないAzure 外連携は弱い

Cloudflare の差別化は「LB が CDN / WAF / Bot / Tunnel と同じデータプレーン上に座っている」点に尽きる。GSLB 単機能比較では NS1 / Akamai GTM のほうが歴史と精度で勝る場面はあるが、運用面の統合性とコスト効率では Cloudflare に分がある。

料金

  • Pro / Business / Enterprise プランへのアドオン:基本料金 $5/月 から。
  • 従量課金
    • DNS Queries / Proxy Requests:標準プランで月 50 万クエリ込み、超過分は約 $0.50 / 100 万クエリ。
    • Health Checks:1 Endpoint あたり月 1 ドル前後(Probe Region 数・Interval に依存)。
    • 追加 Endpoint / Pool:標準枠を超えた分は超過課金。
  • Enterprise 契約:年間契約の総額に組み込まれ、上記単価は交渉対象。Probe All Regions・短い Interval・大量 Endpoint・Custom Rules 複数対応はここで現実的になる。
  • Spectrum との併用(L4):Spectrum 自体が Enterprise 機能で別料金。L4 LB をやるなら実質 Enterprise 前提。

「LB だけ単独で買う」より、Pro / Business で WAF や CDN を併用しているサイトに $5 + 数ドルで乗せられる手軽さが、競合との実コスト比較で効いてくる。

CLI / API 例

Health Monitor 作成

curl -X POST "https://api.cloudflare.com/client/v4/accounts/${ACCOUNT_ID}/load_balancers/monitors" \
  -H "Authorization: Bearer ${CF_API_TOKEN}" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  --data '{
    "type": "https",
    "description": "API healthcheck",
    "method": "GET",
    "path": "/healthz",
    "expected_codes": "200",
    "expected_body": "ok",
    "interval": 60,
    "timeout": 5,
    "retries": 2,
    "consecutive_up": 2,
    "consecutive_down": 3,
    "follow_redirects": false,
    "allow_insecure": false,
    "probe_zone": "example.com",
    "header": { "Host": ["api.example.com"] }
  }'

Pool 作成(AWS Tokyo に 2 Endpoint、LOR で振り分け)

curl -X POST "https://api.cloudflare.com/client/v4/accounts/${ACCOUNT_ID}/load_balancers/pools" \
  -H "Authorization: Bearer ${CF_API_TOKEN}" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  --data '{
    "name": "pool-aws-tokyo",
    "description": "AWS ap-northeast-1 origins",
    "enabled": true,
    "minimum_origins": 1,
    "monitor": "'"${MONITOR_ID}"'",
    "origins": [
      { "name": "tokyo-1", "address": "203.0.113.10", "weight": 1, "enabled": true },
      { "name": "tokyo-2", "address": "203.0.113.11", "weight": 1, "enabled": true }
    ],
    "origin_steering": { "policy": "least_outstanding_requests" },
    "latitude": 35.68,
    "longitude": 139.76,
    "notification_email": "ops@example.com"
  }'

Load Balancer 作成(Proxied / Dynamic Steering / Adaptive Routing 有効)

curl -X POST "https://api.cloudflare.com/client/v4/zones/${ZONE_ID}/load_balancers" \
  -H "Authorization: Bearer ${CF_API_TOKEN}" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  --data '{
    "name": "api.example.com",
    "description": "Multi-region API LB",
    "enabled": true,
    "proxied": true,
    "ttl": 30,
    "steering_policy": "dynamic_latency",
    "default_pools": ["'"${POOL_TOKYO}"'", "'"${POOL_OSAKA}"'", "'"${POOL_GCP_OSAKA}"'"],
    "fallback_pool": "'"${POOL_TOKYO}"'",
    "session_affinity": "cookie",
    "session_affinity_ttl": 1800,
    "session_affinity_attributes": { "samesite": "Auto", "secure": "Auto", "drain_duration": 60 },
    "adaptive_routing": { "failover_across_pools": true },
    "rules": [
      {
        "name": "static to cdn pool",
        "condition": "starts_with(http.request.uri.path, \"/static/\")",
        "overrides": { "default_pools": ["'"${POOL_CDN}"'"] }
      }
    ]
  }'

Terraform(cloudflare provider v5)

resource "cloudflare_load_balancer_pool" "tokyo" {
  account_id        = var.account_id
  name              = "pool-aws-tokyo"
  minimum_origins   = 1
  monitor           = cloudflare_load_balancer_monitor.api.id
  origins {
    name    = "tokyo-1"
    address = "203.0.113.10"
    weight  = 1
    enabled = true
  }
  origin_steering { policy = "least_outstanding_requests" }
  latitude  = 35.68
  longitude = 139.76
}

resource "cloudflare_load_balancer" "api" {
  zone_id          = var.zone_id
  name             = "api.example.com"
  proxied          = true
  steering_policy  = "dynamic_latency"
  default_pool_ids = [cloudflare_load_balancer_pool.tokyo.id, cloudflare_load_balancer_pool.osaka.id]
  fallback_pool_id = cloudflare_load_balancer_pool.tokyo.id
  session_affinity = "cookie"
  adaptive_routing { failover_across_pools = true }
}

制限・注意点

  • Session Affinity / Custom Rules / LOR / Least Connections / Adaptive Routing は Proxied 専用。DNS-only モードでは選択できない。要件に Affinity が含まれるなら Proxied 前提で zone を設計する。
  • Custom Rules は非 Enterprise だと「LB ホスト名あたり 1 ルール」に制限される。本格的にパスベース・ヘッダベースで Pool を切るなら Enterprise を見込む。
  • Custom Rules と Geo Steering は相互排他。両方使いたい場合は Custom Rules の中で Pool 上書きをして Geo を再現する。
  • Spectrum と Custom Rules は非互換。L4 LB ではリクエスト属性ベースの分岐はできない。
  • Health Monitor の Interval を短くすると Probe トラフィックが Origin 側に乗る。Origin の /healthz は軽量・キャッシュなしで設計する。
  • Probe Region を狭めると単一 PoP 障害が誤検知に直結する。本番は最低 3 リージョン以上を推奨。
  • DNS-only モードでの Geo / Proximity / Country は ECS が無いと Resolver IP の地理位置で判定されるため、Public Resolver(1.1.1.1 / 8.8.8.8)経由のユーザーで意図しない Pool に振られる可能性がある。location_strategy の調整が必要。
  • __cflb Cookie は HttpOnly のため、フロントエンドの JS からは触れない。SPA からはユーザー識別子を別途持つ必要がある。
  • TTL 縛り問題(DNS-only):DNS TTL を 30 秒にしてもキャッシュリゾルバ次第で守られない。RTO が秒単位なら Proxied を選ぶ。
  • Adaptive Routing の Failover across poolsCloudflare ⇄ Origin 系のエラー(5xx の特定コード)にだけ反応する。アプリ層の 500 では発火しないため、ヘルスチェックの応答ボディ検査と組み合わせて欠損を埋める。
  • マルチアカウント運用では Pool / Monitor は Account スコープ、Load Balancer は Zone スコープという階層を意識する。Pool を別 Account から共有することはできない。

参考リンク


参照日: 2026-05-04